平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 274,275

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問 274  正答率 : 78.3%
問 275  正答率 : 72.6%

 国家試験問題

国家試験問題
65歳男性。甲状腺機能亢進症の治療を受けている。心房細動による頻脈のため、ジゴキシンによる治療が開始された。

問274(実務)
この治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ジゴキシンは治療域が狭い薬物なので、治療薬物モニタリング(TDM)を行う。


2 甲状腺機能亢進症の患者は、ジゴキシンの血中濃度が高くなり作用が増強することがあるので注意する。


3 ジゴキシンは主に肝代謝により消失するので、肝障害時には減量する必要がある。


4 悪心、嘔吐、不整脈などの中毒症状に注意する。




問275(薬剤)
この患者におけるジゴキシンの全身クリアランスは4.0 L/h、経口投与時のバイオアベイラビリティは80%である。定常状態平均血中濃度を1.0 ng/mLに維持するための1日当たりの経口投与量(mg/day)はいくらか。1つ選べ。

1 0.004
2 0.032
3 0.096
4 0.120

5 0.250

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問 274    
問 275    

 e-REC解説

問274 解答 1、4

1 正

2 誤
甲状腺機能亢進症の患者は、健常人に比べて、代謝能や排泄能が促進しているため、ジゴキシンの血中濃度が低くなり作用が減弱する ことがあるので注意する。

3 誤
ジゴキシンは主に腎排泄により消失するので、腎障害時には減量する必要がある。

4 正
ジゴキシンを過量投与すると、ジギタリス中毒(悪心、嘔吐、不整脈など)が現れることがある。


問275 解答 4

繰り返し経口投与時の経口投与量D(mg)は、①式で表される。
スクリーンショット 2017-05-01 8.30.06.png
①式より、定常状態平均血中濃度を1.0 ng/mLに維持するための1日当たりの経口投与量(mg/day)を以下のように求めることができる。
スクリーンショット 2017-05-01 8.30.17.png

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