令和08年度 第111回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 280,281

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問 280  リアルタイム正答率 : 59.1%
問 281  リアルタイム正答率 : 56.8%

 国家試験問題

国家試験問題
82歳男性。身長167 cm、体重50 kg。2型糖尿病の既往があり、シタグリプチンリン酸塩錠の服用により血糖コントロールは良好であったが、歩行時にふくらはぎの痛みと足趾の冷感、皮膚色調の変化を主訴に血管外科を受診した。下肢動脈の超音波検査及びCT血管造影にて、重度の閉塞性動脈硬化症が確認された。バイパス手術は積極的な適用とはならず、まずは保存的治療として、アルプロスタジル注射用(点滴静注①)による血流改善を目的とした薬物療法を入院にて行う方針となった。
また、栄養状態が悪いため、経静脈的にアミノ酸・糖・電解質・ビタミンB1の栄養剤(点滴静注②)も投与することとなった。点滴静注①と②の注射処方が発行されたため、処方内容に誤りや注意点がないか、担当薬剤師は確認を行った。

(入院時検査値)
空腹時血糖110 mg/dL、血清クレアチニン0.9 mg/dL、血圧135/85 mmHg、
eGFR 70 mL/min/1.73 m2、血清アルブミン2.3 g/dL、Na 140 mEq/L、
K 4.2 mEq/L

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問280(実務)
注射処方の確認を行った薬剤師の判断として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 点滴静注①と②は、混注しても問題ない。


2 本患者には点滴静注②の投与速度をさらに緩徐にすることを提案する。


3 本患者は糖尿病を有するため、点滴静注①は禁忌であり疑義照会する。


4 点滴静注①の投与時には、一過性の血圧低下に注意して血圧を監視する。


5 生理食塩液は配合変化を生じるため、点滴静注①の希釈液として不適である。




問281(薬剤)
点滴静注①には、添加剤として、精製大豆油、高度精製卵黄レシチン、オレイン酸、濃グリセリンが含まれる。本製剤に含まれている微粒子の模式図として適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、外相は水とする。

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問 280    
問 281    

 e-REC解説

問280 解答 2、4

1 誤
点滴静注①は、脂肪乳剤を利用した製剤であり、他剤との混合によって乳剤の安定性に影響を及ぼす可能性があるため、別々に投与する。

2 正
点滴静注②の投与速度は、通常、成人では500 mLあたり120分を基準とするが、本患者のように高齢者ではさらに緩徐に注入する必要があるため、この提案は正しい。

3 誤
点滴静注①は、糖尿病患者にも使用することができる。

4 正
点滴静注①は、プロスタグランジンE1製剤で、血管拡張作用を持つため、一過性の血圧低下に注意して血圧を監視することは正しい。

5 誤
点滴静注①は、生理食塩液で希釈しても配合変化は生じない。


問281 解答 3

点滴静注①は、油相を形成する大豆油内に脂溶性薬物であるアルプロスタジルを封入した製剤で、界面活性剤であるレシチンで乳化し、内相が油、外相が水のo/w型乳濁性注射剤である。

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