令和08年度 第111回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 290,291

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問 290  リアルタイム正答率 : 80.0%
問 291  リアルタイム正答率 : 67.3%

 国家試験問題

国家試験問題
33歳既婚女性。頭痛、生理痛及び便秘があり、薬局へ相談に訪れた。薬剤師は相談者から以下の内容を聞き取った。

・挙児を強く希望しているが、いまだ妊娠には至っていない。
・出産経験はない。
・妊娠を考えて、症状があってもなるべく薬を飲まないように我慢していた。
・生理時に下腹部だけでなく骨盤の辺りも痛むようになったが、痛みがあるのは生理期間中の数日間だけなので、市販の薬で乗り切りたい。
・週に5日ほど排便がない時がある。
・天気の悪い日は頭が痛くなる。
・妊娠から授乳期まで服用しても安心な薬があるなら使用したい。


問290(実務)
相談に応じた薬剤師が、この女性に勧める一般用医薬品として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 酸化マグネシウム


2 ロペラミド


3 ロキソプロフェン


4 イブプロフェン


5 アセトアミノフェン




問291(病態・薬物治療)
数日後、この女性は婦人科を受診し、子宮内膜症と診断された。本患者における子宮内膜症の病態として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 出産の経験がないことが、発症のリスク因子である。


2 黄体ホルモンの作用により、病変組織が発生した。


3 子宮内腔以外に病変は発生しない。


4 疼痛の悪化には、月経を重ねたことが関係している。


5 子宮体がんを合併するリスクが高い。

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問 290    
問 291    

 e-REC解説

問290 解答 1、5

1 正
酸化マグネシウムは浸透圧性下剤であり、本患者の便秘に対して有効である。また、本剤は消化管からほとんど吸収されないため、胎児や乳児への影響が少ない。そのため、「妊娠から授乳期まで服用しても安心な薬があるなら使用したい」という本患者に勧める一般用医薬品として適切である。

2 誤
ロペラミドは止瀉薬(下痢止め)であり、本患者の便秘を悪化させるおそれがあるため、本患者に勧める一般用医薬品として適切ではない。

3 誤
ロキソプロフェンやイブプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)であり、本患者の頭痛に対して有効である。しかし、NSAIDsは胎児毒性を示すおそれがあるため、妊娠後期の女性への投与は禁忌となっている。そのため、本患者に勧める一般用医薬品として適切ではない。

4 誤
解説3参照

5 正
アセトアミノフェンはアニリン系解熱鎮痛薬であり、本患者の頭痛に対して有効である。また、本剤はNSAIDsと比較して胎児毒性を示すリスクが低い。そのため、本患者に勧める一般用医薬品として適切である。


問291 解答 1、4

子宮内膜症は、子宮内膜およびその類似組織が子宮内腔以外の箇所に異所性に発生・増殖する非悪性腫瘍性疾患であり、月経痛の増強や不妊症などを引き起こすエストロゲン(卵胞ホルモン)依存性疾患である。

1 正
女性のホルモンバランスにおいて、妊娠中は月経が止まりエストロゲンの分泌が減少する。そのため、出産の経験がない女性は、出産の経験がある女性と比較してエストロゲン曝露期間が長くなるため、発症のリスクが高くなる。

2 誤
前記参照。本疾患は、ゲスタゲン(黄体ホルモン)ではなくエストロゲン(卵胞ホルモン)依存性疾患である。

3 誤
前記参照

4 正
子宮内膜症では、剥離した子宮内膜やその類似組織が体外に排泄されず、月経を重ねるごとにその貯留が起こり、チョコレート嚢胞と呼ばれる卵巣の腫大を生じることで、疼痛の悪化を引き起こすことがある。

5 誤
子宮体がんは子宮体内膜の腺上皮細胞に発生する悪性腫瘍であり、子宮内膜症との関連性は低く、合併するリスクは低い。

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