平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 298,299

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問 298  正答率 : 62.4%
問 299  正答率 : 92.9%

 国家試験問題

国家試験問題
72歳女性。胃潰瘍で通院中の消化器内科より、血圧150/68 mmHgのため循環器内科の受診を勧められた。自覚症状は特にない。
【身体所見】
身長162 cm、体重65 kg、脈拍75/分 整
【血液検査】
血中尿素窒素(BUN)28 mg/dL、血清クレアチニン(Scr)1.0 mg/dL
Na 136 mEq/L、K 3.6 mEq/L、CI 101 mEq/L

問298(病態・薬物治療)
下記の記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。

1 本態性高血圧と2次性高血圧の発症頻度はほぼ同じである。


2 仮面高血圧とは医療機関での血圧測定値は正常であるが、自宅での測定値が高値のものをいう。


3 収縮期血圧140 mmHg以上又は拡張期血圧90 mmHg以上で心血管疾患の発症率は高くなる。


4 血管の性状を観察するためには、眼底検査が有用である。


5 腎障害などの合併症を持つ患者は、臓器灌流圧を保つため、合併症のない患者ほど降圧しない。




問299(実務)
この患者は、循環器内科の受診後、以下の処方により治療中である。
スクリーンショット 2017-05-01 9.12.50.png

服薬指導中に錠剤が喉につかえやすいとの訴えがあった。上記の処方で、錠剤の粉砕が可能なものはどれか。2つ選べ。

1 ニフェジピン徐放錠20 mg


2 トリクロルメチアジド錠1 mg


3 オメプラゾール腸溶錠20 mg


4 アルジオキサ錠100 mg

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問 298    
問 299    

 e-REC解説

問298 解答 1、5

1 誤っている
高血圧は、原因不明の本態性高血圧が高血圧全体の約90%を占める。

2 正しい
仮面高血圧は、診察時の血圧は正常であるが、自宅での測定値が高値のものをいい、高血圧状態を見逃すことが多い。

3 正しい
収縮期血圧140 mmHg以上又は拡張期血圧90 mmHg以上で高血圧と診断され、放置すると心血管疾患、脳血管疾患の発症率が高くなる。

4 正しい
眼底検査は、血管の性状を唯一直接観察できる方法であり、高血圧による動脈硬化の変性を確認することが出来るため有用である。

5 誤っている
腎障害などの合併症を持つ患者は、合併症のない一般的な高血圧患者の目標血圧である収縮期血圧140 mmHg未満/拡張期血圧90 mmHg未満よりも、さらに低い収縮期血圧130 mmHg未満/拡張期血圧80 mmHg未満に設定する。


問299 解答 2、4

1 誤
ニフェジピン徐放錠などの徐放性製剤は、主成分の放出をコントロールして効力の持続化を図っており、粉砕すると薬効発現に影響を与えるため、粉砕しない。

2 正
トリクロルメチアジド錠は、粉砕による影響は特に出ないため、粉砕が可能である。

3 誤
オメプラゾール腸溶錠は、主成分が胃酸で効力を失わないように作られており、粉砕すると薬効発現に影響を与えるため、粉砕しない。

4 正
アルジオキサ錠は、粉砕による影響は特に出ないため、粉砕が可能である。

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