平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 300,301

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問 300  正答率 : 75.8%
問 301  正答率 : 44.2%

 国家試験問題

国家試験問題
55歳男性。高血圧を指摘され、Ca2+チャネル遮断薬を処方されているが、不定期にしか受診していなかった。今回、足に傷ができて治らないと相談に来局した。右足に直径5 cm大の皮膚潰瘍があり、病変部は悪臭を伴っていた。すぐ、内科受診を勧めた。内科受診時、以下の所見を示した。
【身体所見】
BMI 27、血圧150/90 mmHg
【尿検査】
尿潜血(-)、尿タンパク(2+)、尿糖(4+)、ケトン体(-)
尿中Cペプチド 50 µg/日(正常値35〜140 µg/日)
【血液検査】
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)25 IU/L
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)30 IU/L
γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)50 IU/L
血中尿素窒素(BUN)20 mg/dL、血清クレアチニン(Scr)1.0 mg/dL
空腹時血糖 210 mg/dL、HbA1C 9.6%

問300(病態・薬物治療)
この患者に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 膵臓のインスリン分泌能は廃絶している。


2 血圧は130/80 mmHg未満を維持するように治療する。


3 腎病変の早期検出には尿中アルブミンを検査する。


4 食事療法が必要である。


5 足の病変は、細小血管障害が関与している。




問301(実務)
この患者の処方薬として考えられる医薬品とその医薬品添付文書に記載されている成人に対する1日投与量の制限との組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
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問 300    
問 301    

 e-REC解説

問300 解答 1

身体所見および検査値から、本患者は、高血圧に2型糖尿病、それに伴う糖尿病下肢壊疽、糖尿病性腎症を合併していると推測される。

1 誤っている
内因性インスリン分泌能の指標となる尿中Cペプチドが正常範囲内であるため、膵臓のインスリン分泌能は廃絶していないと推測される。

2 正しい
糖尿病合併や心筋梗塞後などのハイリスク群高血圧患者は、130/80 mmHg未満を降圧目標値とする。

3 正しい
糖尿病腎症では、初期に微量アルブミン尿が認められ、その後血清クレアチニン値が上昇する。そのため、早期検出には尿中アルブミンを検査する。

4 正しい
食事療法などの生活習慣の改善は、糖尿病などの生活習慣病治療の基本である。

5 正しい
糖尿病下肢壊疽には、細小血管障害として末梢神経障害、そのほかに白血球の貪食能低下などが関与している。


問301 解答 3

1 正しい
グリベンクラミドは、一般的に1日1.25〜2.5 mgで用いられ、1日最高投与量は10 mgである。

2 正しい
シタグリプチンリン酸塩水和物は、一般的に1日50 mgで用いられ、1日最高投与量は100 mgである。

3 誤っている
ピオグリタゾン塩酸塩は、一般的に1日15〜30 mgで用いられ、1日最高投与量は45 mgである。ただし、インスリン併用時は、1日最高投与量30 mgとなる。

4 正しい
ボグリボースは、一般的に1日0.6 mgで用いられ、1日最高投与量は0.9 mgである。

5 正しい
トルブタミドは、一般的に1日500〜1,000 mgで用いられ、1日最高投与量は2,000 mgである。

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