令和08年度 第111回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 306,307

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問 306  リアルタイム正答率 : 78.8%
問 307  リアルタイム正答率 : 57.6%

 国家試験問題

国家試験問題
50歳男性。かかりつけの内科クリニックでコレステロール値が高いと指摘され、食事療法と運動療法を行っていたが、コントロール不良のため薬物療法を開始することとなり、本日、処方1の薬剤が記載された処方箋を持って薬局を訪れた。

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処方1の薬剤は本日より初めて服用する薬である。この男性が持参したお薬手帳には7日前に近所の耳鼻科で処方された以下の薬剤が記載されていた。男性によると「ずっと鼻がつまっていたので受診したら、慢性副鼻腔炎と言われ、薬をもらった。」とのことだった。

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薬剤師は、処方1の薬剤とお薬手帳の薬剤との相互作用について医師に疑義照会を行った。その結果、シンバスタチン錠5 mgからフルバスタチン錠10 mgへ変更する旨の回答を得たので、処方1から処方2に変更することとなった。

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また、患者より「毎日グレープフルーツジュースを飲んだり、時々市販の酸化マグネシウムという便秘薬を夕食後に飲むのですが、飲み合わせは大丈夫ですか。」との質問を受けた。


問306(法規・制度・倫理)
薬剤師法、健康保険法その他関連法令に照らし、疑義照会に関する記述として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 次回以降、処方1の薬剤が処方され、お薬手帳の薬剤を服用中の場合、医師への照会を省略し、薬剤師の判断で処方2の薬剤に変更することができる。


2 薬剤師は処方箋の記載内容に疑問や不明点がある場合、疑義照会する義務がある。


3 疑義照会後の変更の内容を薬剤師が記載した処方箋について、改めて医師の署名又は記名押印を受ける必要はない。


4 調剤報酬点数表には、疑義照会を行い処方が変更された場合の加算は存在しない。


5 疑義照会を行い、処方箋を交付した医師が不在であった場合、同じ医療機関に勤務する別の医師の回答に基づき薬剤を変更して調剤することができる。




問307(実務)
服薬指導でこの患者に伝えることとして適切なのはどれか。2つ選べ。

1 カルボシステイン錠を服用している人が処方1のお薬を服用すると、処方1のお薬の作用が弱くなるため、処方2のお薬に変更になりました。


2 クラリスロマイシン錠を服用している人が処方1のお薬を服用すると、処方1のお薬の副作用が出やすくなるため、処方2のお薬に変更になりました。


3 処方2のお薬は、コレステロールの排泄を促進する作用があります。


4 処方2のお薬は、グレープフルーツジュースとの飲み合わせについて注意喚起されていません。


5 処方2のお薬と酸化マグネシウムを同時に服用すると、処方2のお薬の吸収が低下するため、時間をずらして服用してください。

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問 306    
問 307    

 e-REC解説

問306 解答 2、3

1 誤
薬剤師は、処方箋に記載された医薬品につき、その処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師の同意を得た場合を除くほか、これを変更して調剤してはならない。

2 正
薬剤師は、処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。

3 正
処方医の同意を得て医薬品を変更して調剤した場合は、その内容を処方箋に記入しなければならないが、改めて医師の署名又は記名押印を受ける必要はない。

4 誤
調剤報酬点数表には、疑義照会を行い、処方内容が変更された場合に算定できる加算として、調剤時残薬調整加算及び薬学的有害事象等防止加算がある。令和8年度診療報酬改定では、従来の重複投薬・相互作用等防止加算が廃止され、その評価が見直された。調剤時残薬調整加算は、患者の残薬を確認し、処方医への照会により投薬日数や処方内容が変更された場合などを評価するものである。一方、薬学的有害事象等防止加算は、重複投薬、併用薬・飲食物等との相互作用などについて処方医に連絡・確認し、処方内容が変更された場合などを評価するものである。

5 誤
疑義照会は、処方医に行わなければならない(解説2参照)。


問307 解答 2、4

1 誤
カルボシステインとシンバスタチンの相互作用は報告されていない。なお、シンバスタチンはCYP3A4で代謝され、クラリスロマイシンはCYP3A4を阻害するため、併用によりシンバスタチンの作用が増強するおそれがある。よって、シンバスタチンをフルバスタチンに変更したと考えられる。

2 正
解説1参照

3 誤
フルバスタチンは、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素を競合的に阻害し、肝臓におけるコレステロール合成を阻害する。

4 正
グレープフルーツジュースは、小腸のCYP3A4を阻害する。フルバスタチンは主にCYP2C9で代謝されるため、グレープフルーツジュースとの相互作用は報告されていない。なお、シンバスタチンは、CYP3A4によって代謝されるため、グレープフルーツジュースとの併用を避ける必要がある。

5 誤
フルバスタチンと酸化マグネシウムの相互作用は報告されていない。

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