平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 316,317

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問 316  正答率 : 65.8%
問 317  正答率 : 75.5%

 国家試験問題

国家試験問題
保険薬局で保険薬剤師が、先発医薬品から後発医薬品への変更調剤などを行う際の留意点及び患者への説明内容について確認した。

問316(実務)
変更調剤などを行う際の留意点に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、後発医薬品へ変更が可能な処方せんを応需した場合とする。

1 一般名処方では、先発医薬品の調剤を優先する。


2 銘柄名処方の後発医薬品は、別銘柄の後発医薬品には変更できない。


3 外用薬は、クリーム剤から軟膏剤のように剤形を変更することができる。


4 変更する際は後発医薬品の適応症を確認する。


5 変更調剤した薬剤の銘柄について、処方せんを発行した保険医療機関に情報提供する。




問317(法規・制度・倫理)
後発医薬品へ変更する場合の患者への説明内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 先発医薬品に比べて開発費が低く、薬の価格を安くすることができる。


2 添加剤は先発医薬品と異なることがある。


3 後発医薬品の薬価は、同一成分同一規格であれば、どの会社の製品でも同じである。


4 臨床上の有効性・安全性が先発医薬品と同一であることが確認されている。

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問 316    
問 317    

 e-REC解説

問316 解答 4、5

1 誤
一般名処方では、患者に先発医薬品と後発医薬品に関する説明を行い、患者に先発医薬品又は後発医薬品の使用に関する意向を確認し、患者の希望に従って医薬品を選択する。

2 誤
本問では、後発品への変更が可能な処方箋を応需しているため、後発医薬品への変更が可能である。この場合、銘柄名処方の後発医薬品であっても、同一剤形、同一規格であれば別銘柄の後発医薬品に変更可能である。

3 誤
外用薬は、患者の症状にあわせて医師が適切な基剤を選択し処方している可能性があるため、処方医への確認なしに剤形を変更して調剤することはできない。

4 正
後発医薬品は、原則として効能・効果、用法・用量が先発医薬品と同様であるが、一部異なるものもある。含量規格が異なる後発医薬品又は類似する別剤形の後発医薬品への変更調剤は、規格又は剤形の違いにより効能・効果や用法・用量が異なる場合には対象外となるため、変更調剤により後発医薬品を使用する場合には、適応症を確認する必要がある。

5 正
変更調剤した際は、処方箋を発行した保険医療機関に薬剤の銘柄について情報提供する。


問317 解答 1、2

1 正
後発医薬品は先発医薬品に比べて試験項目が少なく、開発費が安価であるため、一般的に薬剤費が安くなる。

2 正
先発医薬品と後発医薬品では、有効成分と含量、投与経路は同一であるが、用法・用量、効能・効果、添加剤等は異なるものもある。

3 誤
後発医薬品の薬価は、先発医薬品に対する後発医薬品が存在するかどうかや薬価基準に収載される時期によっても異なることがあるため、同一成分同一規格であったとしてもどの会社の製品でも同じであるとはかぎらない。

4 誤
先発医薬品と後発医薬品では、有効成分と含量、投与経路は同一であるが、それ以外の項目については異なることがあるため、有効性・安全性は必ずしも同一とはかぎらない。

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