令和08年度 第111回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 320,321

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問 320  リアルタイム正答率 : 44.2%
問 321  リアルタイム正答率 : 85.7%

 国家試験問題

国家試験問題
82歳女性。東京都在住。息子夫婦と同居している。末期の胃がんで自宅での看取りを希望し、訪問診療と訪問看護を受けている。経口薬の服用が難しくなってきたため麻薬貼付剤を使用していたが、レスキューの使用回数が増え貼付剤での疼痛コントロールが困難になった。そのため、以下の持続皮下注射処方に変更となり、息子が処方箋を近隣の東京都内の薬局に持参した。電動式のPCA(自己調節鎮痛法)用のシリンジポンプを使用して持続皮下注射を行うこととなった。この患者がシリンジポンプを使用するのは初めてである。

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問320(法規・制度・倫理)
薬局におけるこの処方薬剤の取扱いに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 在庫量の不足のため調剤できない場合は、あらかじめ共同で都知事の許可を受けた麻薬小売業者の薬局から譲り受けることができる。


2 次回、同一麻薬製剤が投与される場合は、麻薬処方箋に患者の住所の記載がなくても、処方医に確認する必要はない。


3 患者又は同居している家族から、麻薬の譲受証を受け取る必要はない。


4 薬局の開設者は、薬局に麻薬管理者を置き、管理させなければならない。


5 患者が東京都外に引越した場合、この薬局で調剤することができない。




問321(実務)
息子に対して行うこの薬剤やポンプの使用に関する説明として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 薬剤がなくなったら家族が薬剤をセットしてください。


2 患者や家族が流速を変更できないようになっています。


3 ロックアウトタイム中はPCAボタンを押しても薬剤が出ない構造になっています。


4 この薬剤は薬剤師がご自宅に持っていくことができないので、毎回薬局に取りに来てください。


5 今後、この薬剤が2本以上処方された場合、未使用の薬剤は冷蔵庫で保管する必要があります。

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問 320    
問 321    

 e-REC解説

問320 解答 1、3

モルヒネ塩酸塩注射液は麻薬に指定されているため、麻薬及び向精神薬取締法に基づいて取り扱う必要がある。

1 正
麻薬小売業者は、原則として他の麻薬小売業者に麻薬を譲り渡すことはできない。ただし、同一都道府県内の2つ以上の麻薬小売業者が共同して都道府県知事から麻薬小売業者間譲渡許可を受ければ、次の場合において、許可を受けた麻薬小売業者間で麻薬を譲渡・譲受することができる。
・麻薬処方箋による調剤に必要な麻薬の在庫量が不足し、当該処方箋に基づく調剤ができない場合
・麻薬卸売業者から譲り受けた麻薬であって、その譲り受けの日から90日を経過したものを保管しているとき

2 誤
麻薬処方箋には、以下の事項を記載しなければならない。

【麻薬処方箋記載事項】
・患者の氏名、年齢
・患者の住所(院内麻薬処方箋の場合は省略可)
・麻薬の品名、分量、用法および用量
・麻薬施用者の記名押印又は署名
・処方箋の使用期限(院内麻薬処方箋の場合は省略可)
・処方箋の発行年月日
・麻薬施用者免許証番号
・麻薬診療施設の名称、住所地(院内麻薬処方箋の場合は省略可)

本患者の処方箋は院外麻薬処方箋であることから、患者の住所の記載を省略することはできない。

3 正
麻薬処方箋の交付を受けた者は、その処方箋により調剤された麻薬を麻薬小売業者から譲り受けることができる。このとき、麻薬の譲渡証および譲受証は不要である。

4 誤
薬局(麻薬小売業者)に麻薬管理者を設置する必要はない。麻薬管理者を置かなければならないのは、原則として2人以上の麻薬施用者が診療に従事する麻薬診療施設である。

5 誤
患者の居住する都道府県に関わらず、薬局(麻薬小売業者)は、調剤した麻薬を患者に譲り渡すことができる。


問321 解答 2、3

本患者は、電動式のPCAポンプを用いてモルヒネを持続皮下注射する。PCA(Patient Controlled Analgesia:自己調節鎮痛法)では、一定量の鎮痛薬を持続投与するとともに、突出痛などが生じた場合に、患者自身がPCAボタンを押すことであらかじめ設定された量の鎮痛薬を追加投与(ボーラス投与)できる。

1 誤
医療従事者(医師、看護師、薬剤師)が患者宅に訪問し、薬剤を補充する。

2 正
PCAポンプの流速は、医療従事者(医師、看護師、薬剤師)が設定する。

3 正
ロックアウトタイム(不応期)とは、過量投与を防ぐため、ボーラス投与後一定時間はさらなる追加投与を行うことができない時間のことである。

4 誤
本剤は、薬剤師が患者宅へ届けることができる。

5 誤
本剤は、遮光及び室温保存とされている。

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