令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 322,323

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問 322  正答率 : 87.5%
問 323  正答率 : 60.6%

 国家試験問題

国家試験問題
地域薬剤師会からある薬局に地域ケア会議への参加依頼があった。薬局に勤務する薬剤師の中で適任者を検討した結果、薬局勤務3年目の薬剤師Aが選出された。薬剤師Aは地域ケア会議に参加するのは初めてだが、在宅患者も担当しており、スキルアップのために管理薬剤師Bと共に参加してもらうことにした。

問322(実務)
薬剤師Aは地域ケア会議へ出席するにあたり、地域ケア会議の特徴や参加時の対応について管理薬剤師Bに相談した。管理薬剤師Bの助言の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備を同時に進めています。


2 地域ケア会議は、薬剤師の場合、2年以上の実務経験が参加条件となっています。


3 地域ケア会議は、医療又は福祉の資格を有することが参加条件となります。


4 地域ケア会議において、参加者に自分の意見を伝える際、専門用語をなるべく多く用いて説明するよう心がけてください。


5 個別ケースの課題などを積み重ね、自治体の政策形成につなげることも地域ケア会議の機能の一つです。




問323(法規・制度・倫理)
薬剤師Aは本会議に参加し、本会議を主催した地域包括支援センターの活動に触れ、地域住民にとって重要な施設であると感じた。そこで、薬局来局者に地域包括支援センターの役割を伝える情報提供資料を作成した。資料の記載内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 都道府県ごとに1施設の設置が義務付けられています。


2 常駐している医師に健康に関して相談することができます。


3 当該センターの職員が自宅を訪問し介護サービスを行います。


4 高齢者虐待について相談することができます。


5 成年後見制度について相談することができます。

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問 322    
問 323    

 e-REC解説

問322 解答 1、5

我が国では、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進している。地域包括ケアシステムの実現の手法の1つとして地域ケア会議がある。地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備を同時に進めていく手法として行われる会議であり、地域包括支援センター又は市町村が主催する。地域包括支援センターでの地域ケア会議では、多職種の協働による個別ケースの支援を通じた①地域支援ネットワークの構築、②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援、③地域課題の把握などを行う。
これら個別ケースの課題を積み重ね、市町村レベルの地域ケア会議では、地域課題を把握し、自治体の政策形成につなげることも目的とされている。

1 正
前記参照

2 誤
地域ケア会議の構成員には、医療又は福祉の専門職種(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、保健師、介護福祉士、社会福祉士、ケアマネージャーなど)及び地域の支援者(自治会、民生委員など)が必要に応じて参加するが、薬剤師などの実務経験の年数等は問わず、医療又は福祉の資格を有することが義務づけられているわけでもない。

3 誤
解説2参照

4 誤
地域ケア会議は、多職種の協働による個別ケースの支援を行うため、自分の意見を伝える際、専門用語を多く用いるのではなく、他業種や専門職以外の参加者にもわかりやすい説明を行うべきであるため、助言の内容として不適切である。

5 正
前記参照


問323 解答 4、5

地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設である。
地域包括支援センターの主な業務は、介護予防支援(要支援者に対するケアプラン作成)及び包括的支援事業(①介護予防ケアマネジメント業務、②総合相談支援業務、③権利擁護業務、④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務)である。

1 誤
地域包括支援センターは、すべての市町村(及び特別区)に設置されている。市町村が設置主体であり、都道府県ごとの設置が義務づけられているわけではない。

2 誤
地域包括支援センターには医師は常駐していないため、常駐している医師への健康相談は地域包括支援センターの役割ではない。

3 誤
地域包括支援センターでは、介護予防支援(要支援者に対するケアプラン作成)や介護予防ケアマネジメント業務(ケアマネージャーへの相談など)は行うが、地域包括支援センターの職員が自宅を訪問し介護サービスを行うことは地域包括支援センターの役割ではない。

4 正
地域包括支援センターの主な業務に権利擁護業務があり、権利擁護業務には高齢者の虐待への対応や成年後見制度(認知症、知的障害、精神障害などにより物事を判断する能力が十分ではない者について本人の権利を守る援助者を選ぶことで本人を支援する制度)の活用促進などが含まれる。

5 正
解説4参照

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