平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 328

Pin Off  未ブックマーク   
問 328  正答率 : 79.2%

 国家試験問題

国家試験問題
以下の薬剤の組合せのうち、両薬剤の服用時間をずらすことで併用可能なのはどれか。2つ選べ。

1 S−1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合)カプセル + フルオロウラシル錠


2 セフジニルカプセル + クエン酸第一鉄ナトリウム錠


3 レボフロキサシン錠 + 酸化マグネシウム錠


4 バルプロ酸Na徐放性顆粒 + テビペネムピボキシル細粒


5 リファンピシン + ボリコナゾール錠

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 328    

 e-REC解説

解答 2、3

1 誤
S−1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合)カプセルは、抗悪性腫瘍薬のフルオロウラシルのプロドラッグであるテガフールに、抗腫瘍効果を高める目的でフルオロウラシルの代謝阻害薬のギメラシルを配合し、消化器系の副作用を抑える目的でオテラシルを配合した薬剤である。S−1カプセルを、フルオロウラシル錠のようなフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬と併用すると、ギメラシルがフルオロウラシルの代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇することにより重篤な血液障害や消化器障害等の副作用が発現するおそれがあるため、両薬剤は併用禁忌である。また、S−1カプセルの投与中止後少なくとも7日間はフッ化ピリミジン系高悪性腫瘍薬を投与してはならない。

2 正
セフジニルカプセルを、クエン酸第一鉄ナトリウム錠のような鉄剤と併用すると、腸管内で鉄イオンと錯体を形成し、セフジニルの吸収が約10分の1まで阻害されるため、両薬剤は併用注意である。ただし、セフジニルの投与後3時間以上間隔をあけることで両薬剤を併用することが可能である。

3 正
レボフロキサシン錠を、酸化マグネシウム錠のような多価の金属イオン(Mg2+、Al3+など)を含む製剤と併用すると、キレートを形成し、レボフロキサシンの吸収が低下するため、両薬剤は併用注意である。ただし、併用する場合には、レボフロキサシンの投与後1〜2時間の間隔をあけることで投与することが可能である。

4 誤
バルプロ酸Na徐放性顆粒を、テビペネムピボキシル細粒のようなカルバペネム系抗生物質と併用すると、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することがあるため、両薬剤は併用禁忌である。

5 誤
リファンピシンはCYP3A4をはじめとする肝薬物代謝酵素やP−糖タンパク質を誘導する薬剤であり、ボリコナゾールのようなCYP3A4で代謝を受ける薬剤と併用すると、ボリコナゾールの最高血中濃度(Cmax)及び血中濃度時間曲線下面積(AUC)をそれぞれ93%及び96%低下させるおそれがあるため、両剤は併用禁忌である。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします