令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 328

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問 328  正答率 : 55.8%

 国家試験問題

国家試験問題
電解質輸液の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 生理食塩液と5%ブドウ糖注射液の1:1の混合液は開始液(1号液)に分類される。


2 脱水補給液(2号液)はKを含み、細胞内液と細胞外液の両方に水補給できる。


3 維持液(3号液)は、Na、CI、K、Lactateを含む等張電解質液である。


4 術後回復液(4号液)は電解質濃度が低く、細胞内への水補給が期待できない。


5 リンゲル液は、Na、CI、Ca2+、Kを含む低張電解質液である。

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問 328    

 e-REC解説

解答 1、2

複合電解質液は、等張電解質液と低張電解質液の2つに分けられる。等張電解質液は細胞外液補充を目的として投与され、代表的なものに生理食塩液、リンゲル液、乳酸リンゲル液などがある。低張電解質液は細胞内液補充及び細胞外液補充を目的として投与され、組成により1号液(開始液)、2号液(脱水補給液)、3号液(維持液)、4号液(術後回復液)に分けられる。

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1 正
生理食塩液(Na:154 mEq/L、Cl:154 mEq/L)と5%ブドウ糖注射液(ブドウ糖:5%)を1:1で混合したとき、各溶質の濃度は元の濃度の半分となるため、Na:77 mEq/L、Cl:77 mEq/L、ブドウ糖:2.5%となる。これは、開始液(1号液)及び脱水補給液(2号液)の組成と類似する。さらに、本混合液にはKが含まれていないことから、開始液(1号液)に分類できる。

2 正
脱水補給液(2号液)は、Kを含む低張電解質液であり、細胞内液と細胞外液の両方に水補給できる。

3 誤
維持液(3号液)は、Na、Cl、K、Lactate(乳酸)を含む低張電解質液である。なお、Na、Cl、K、Lactate(乳酸)を含む等張電解質液には、乳酸リンゲル液などがある。

4 誤
術後回復液(4号液)は、電解質濃度の低い低張電解質液であり、細胞内液と細胞外液の両方に水補給ができるため、細胞内への水補給が期待できる。

5 誤
リンゲル液は、Na、Cl、Ca2+、Kを含む等張電解質液である。

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