平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 333

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問 333  正答率 : 62.5%

 国家試験問題

国家試験問題
薬剤師が、インフリキシマブのバイオ後続品(バイオシミラー)の選定を任された。ある添付文書を読んだところ、有効成分に関する理化学的知見に以下の記載があった。

「インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]は、遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体であり、マウス抗ヒト腫瘍壊死因子αモノクローナル抗体の可変部及びヒトIgG1定常部からなる。インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]は、450個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。」

インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]のロット間で、最も差があるのはどれか。1つ選べ。

1 キメラモノクローナル抗体のタンパク質部分


2 モノクローナル抗体の可変部


3 ヒトIgG1定常部


4 450個のアミノ酸残基からなるH鎖


5 糖鎖

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問 333    

 e-REC解説

解答 5

バイオ医薬品は、遺伝子組換え技術を用いることによって、生物由来の細胞を用いて産生される医薬品であり、通常の低分子医薬品とは異なり、タンパク質などの高分子医薬品である。
また、バイオ後続品(バイオシミラー)とは、先行バイオ医薬品の特許期間が終了した後に異なる製薬企業により開発・発売される、先行バイオ医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性が確認された医薬品である。バイオ医薬品の本質であるアミノ酸配列は先行バイオ医薬品と同一であるが、生物を使用して先行バイオ医薬品とは異なる製薬企業で作成されるため、糖鎖や不純物の割合などが先行バイオ医薬品と一致しない。
したがって、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]のロット間で、最も差があるのは糖鎖であり、その他の選択肢はアミノ酸配列が同一であるので差は生まれにくい。

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