平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 341

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問 341  正答率 : 65.1%

 国家試験問題

国家試験問題
82歳女性。介護保険施設に入所中に転倒し、大腿骨頚部骨折により病院に入院となった。薬剤師は、患者が持参した薬剤の継続について医師から相談を受けた。患者は、アムロジピン、カンデサルタン、レバミピド、アトルバスタチン、センノシドを服用中であった。

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薬剤師は、本患者の生命予後に関して、文献のデータを参考に検討した。

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降圧剤の多剤併用の有無及び収縮期血圧が患者生存率に及ぼす影響
(出典)Treatment With Multiple Blood Pressure Medications, Achieved Blood Pressure, and Mortality in Older Nursing Home Residents:The PARTAGE Study, JAMA Intern Med. 2015;175(6):989−995より引用改変。

予後の改善が期待できるとして、薬剤師が医師に伝えた次の内容のうち、優先順位が最も高いのはどれか。1つ選べ。

1 アムロジピンを中止する。


2 アトルバスタチンを中止する。


3 アムロジピンとカンデサルタンの両剤を同時に中止する。


4 アムロジピンとカンデサルタンの合剤に変更する。


5 現在の治療を継続する。

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問 341    

 e-REC解説

解答 1

文献のデータは、横軸に時間(年)、縦軸に生存率(%)を表したカプラン・マイヤー曲線である。このグラフは以下の4群について、それぞれプロットされている。

群1:降圧剤を単剤で服用している患者の収縮期血圧が130 mmHg未満(SBP<130 mmHg,<2 drugs)
群2:降圧剤を多剤併用している患者の収縮期血圧が130 mmHg以上(SBP≧130 mmHg,≧2 drugs)
群3:降圧剤を単剤で服用している患者の収縮期血圧が130 mmHg以上(SBP≧130 mmHg,<2 drugs)
群4:降圧剤を多剤併用している患者の収縮期血圧が130 mmHg未満(SBP<130 mmHg,≧2 drugs)

このうち、群1〜3と群4を比較すると、p<0.001と2年後の生存率に有意に差があることが読み取れる。つまり、降圧剤を多剤併用している収縮期血圧が130 mmHg未満の患者は、単剤で服用している患者と比べて2年後の生存率が有意に低下することがわかる。(図1及び表1参照)
本患者は、降圧剤としてアムロジピンとカンデサルタンの多剤併用をしていて、収縮期血圧が112 mmHgと130 mmHg以下であるため、アムロジピンを中止して降圧剤をカンデサルタン単剤にすることで予後の改善が期待できると考えられる。

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