平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 342

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問 342  正答率 : 59.8%

 国家試験問題

国家試験問題
36歳女性。重症嘔吐と摂食不良により、低カリウム血症となり、L−アスパラギン酸K注射液を投与することになった。
スクリーンショット 2018-09-03 10.44.28.png

注意:L−アスパラギン酸カリウムとして、通常成人1回1.71〜5.14 g(カリウムとして10〜30 mEq:本剤1〜3本)を日本薬局方注射用水、5%ブドウ糖注射液、生理食塩液又は他の適当な希釈液で希釈する。その液の濃度は0.68 w/v%(カリウムとして40 mEq/L)以下として、1分間8 mLを超えない速度で点滴静脈内注射する。
1日の投与量は17.1 g(カリウムとして100 mEq:本剤10 本)を超えない量とする。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

この注射処方せんで疑義照会すべき内容はどれか。1つ選べ。

1 生理食塩液の量が少ない。


2 点滴速度が速い。


3 L−アスパラギン酸カリウム濃度が低い。


4 L−アスパラギン酸カリウムの1日の投与量が過量である。


5 L−アスパラギン酸カリウムの1日の投与量が不足である。

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問 342    

 e-REC解説

解答 1

1 正
本剤は投与上の注意として、0.68 w/v%(カリウムとして40 mEq/L)以下の濃度に調製する必要があると記載されている。本処方では、L−アスパラギン酸K注射液10 mEq/10 mL/アンプル1本を200 mLの生理食塩液で希釈するため、カリウムの濃度は以下のように計算される。
スクリーンショット 2018-09-03 10.46.55.png
以上より、カリウム濃度は上限の40 mEq/Lを超えているため、希釈液である生理食塩液の量が少ないと考えられるため、疑義照会すべきである。

2 誤
本剤は、投与上の注意として、1分間8 mLを超えない速度で点滴静脈内注射すると記載されている。本処方では、L−アスパラギン酸K注射液10 mEq/10 mL/アンプル1本を200 mLの生理食塩液で希釈した溶液210 mLを1時間かけて投与するため、投与速度は3.5 mL/分(210 mL÷60分)となる。よって、投与速度は適切であるため、疑義照会は不要である。

3 誤
解説1より、本処方におけるカリウム濃度は、上限の40 mEq/Lを超えているため、L−アスパラギン酸Kの濃度は高い。

4 誤
本剤は投与上の注意として、1日の投与量は17.1 g(カリウムとして100 mEq:本剤10 本)を超えない量とすると記載されている。本処方では、L−アスパラギン酸K注射液10 mEq/10 mL/アンプルを3本(カリウムとして30 mEq/L)投与しており、L−アスパラギン酸Kの1日の投与量は過量ではないため、疑義照会は不要である。

5 誤
本剤の1回の投与量は投与上の注意として、通常成人1回1.71〜5.14 g(カリウムとして10〜30 mEq:本剤1〜3本)と記載されている。本処方では、1回の投与量がL−アスパラギン酸K注射液10 mEq/10 mL/アンプル1本のため、L−アスパラギン酸カリウムの1日の投与量は不足しておらず、疑義照会は不要である。

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