令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 345

Pin Off  未ブックマーク   
問 345  正答率 : 63.1%

 国家試験問題

国家試験問題
75歳男性。身長165 cm、体重55 kg。3年前に発症した右脳梗塞の後遺症のために、左半身麻痺があり、通院にてリハビリを行っている。ベッド上で過ごすことが多く、自力による体位変換はほとんどできず、1日3回のオムツ交換を行っている。今回、肺炎の疑いにて緊急入院となった。入院後、褥瘡対策チームが回診を行ったところ、仙骨部に3×5 cmの褥瘡を認めた。創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損があり、感染を伴う混濁した黄色の浸出液が多く認められた。そのため、以下の処方で治療が開始されることとなった。

(入院時検査所見)
血清アルブミン2.1 g/dL、CRP 11.0 mg/dL、白血球18,000 /µL、AST 24 IU/L、ALT 22 IU/L、BUN 22.9 mg/dL、
血清クレアチニン0.9 mg/dL

スクリーンショット 2023-07-24 9.50.07.png

薬剤師から家族への説明として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

1 この薬は、浸出液が多い場合に使用します。


2 この薬は、殺菌作用により患部の回復を早めるために使用します。


3 この薬は、創面を保護するために使用します。


4 栄養状態が良くないので、十分な栄養が必要です。


5 褥瘡の重症化予防のため、定期的な体位変換が必要です。

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 345    

 e-REC解説

解答 3

1 適切
カデックス軟膏は、吸水性のカデキソマーやマクロゴールを基剤としているため、浸出液が多い場合に使用する。

2 適切
カデックス軟膏は、徐々にヨウ素を放出することにより、持続的な殺菌作用を示し、患部の回復を早める。

3 不適切
カデックス軟膏は、創面の清浄化や殺菌目的で使用される。なお、創面の保護作用を有する褥瘡治療薬は、一般的に、基剤がワセリン等の油脂性基剤である。

4 適切
低栄養状態(血清アルブミン値3.5 g/dL未満)では、褥瘡の治癒が遅延する。本患者の血清アルブミン値は2.1 g/dLと低栄養状態であるため、十分な栄養を摂取する必要がある。

5 適切
褥瘡は、長時間同一体位をとることで、持続的に圧迫された部分に生じるため、定期的な体位変換を行うことで、重症化予防が期待できる。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします