令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
必須問題 - 問 38

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問 38  正答率 : 52.0%

 国家試験問題

国家試験問題
脂肪組織でのTG(トリグリセリド)の分解を阻害して肝臓への遊離脂肪酸の取込みを抑制し、肝臓におけるVLDL(超低密度リポタンパク質)の産生を低下させるのはどれか。1つ選べ。

1 ニコモール


2 アトルバスタチン


3 コレスチラミン


4 イコサペント酸エチル


5 クロフィブラート

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問 38    

 e-REC解説

解答 1

1 正
ニコモールは、脂肪組織においてニコチン酸受容体を刺激することで、TG(トリグリセリド)の分解に関与するホルモン感受性リパーゼ活性を低下させ、TGの遊離脂肪酸への分解を阻害して脂肪組織からの遊離脂肪酸の放出を抑制する。その結果、肝臓への遊離脂肪酸の取込みを抑制し、肝臓でのVLDL(超低密度リポタンパク質)の産生を低下させる。

2 誤
アトルバスタチンは、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG−CoA)還元酵素を阻害してCho(コレステロール)の生合成を抑制することで、肝細胞中のCho量を低下させる。その結果、肝細胞表面のLDL(低密度リポタンパク質)受容体を増加させ、血中LDLが肝臓に取り込まれることで、血清Cho値が低下する。

3 誤
コレスチラミンは、陰イオン交換樹脂であり、腸管内で胆汁酸と結合し胆汁酸排泄を促進する。これにより、肝細胞内でChoから胆汁酸への異化が亢進し、肝臓でのCho需要が高まることで、肝細胞表面のLDL受容体数が増加し、血清Cho値が低下する。

4 誤
イコサペント酸エチルは、LPL(リポタンパクリパーゼ)活性化作用によりTGの加水分解を促進し、血清TG値を低下させる。

5 誤
クロフィブラートは、PPARα(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α)を刺激することにより、肝細胞における脂肪酸のβ酸化を促進し、TG合成を低下させる。また、LPL活性化作用により、TGの加水分解を促進することで、血中TG値を低下させる。

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