令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
必須問題 - 問 57

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問 57  正答率 : 81.8%

 国家試験問題

国家試験問題
プロトロンビン時間が延長する疾患はどれか。1つ選べ。

1 鉄欠乏性貧血


2 抗リン脂質抗体症候群


3 播種性血管内凝固症候群(DIC)


4 血友病A


5 腎性貧血

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問 57    

 e-REC解説

解答 3

プロトロンビン時間とは、外因系および共通系凝固因子の異常を検査する試験である。外因系および共通系凝固因子の減少で、プロトロンビン時間は延長する。

1 誤
鉄欠乏性貧血は、鉄の欠乏に伴い、ヘモグロビン合成が低下する疾患である。凝固因子に異常は認められないため、プロトロンビン時間は正常である。

2 誤
抗リン脂質抗体症候群は、抗カルジオリピン抗体やループスアンチコアグラントなどの自己抗体の産生に伴い、動静脈血栓症、血小板減少、習慣性流産などを認める疾患である。活性化部分トロンボプラスミン時間の延長をもたらすが、プロトロンビン時間は正常である。

3 正
播種性血管内凝固症候群(DIC)は、敗血症や急性前骨髄球性白血病などの基礎疾患により、血小板、凝固因子の活性化が生じ、全身の微小血管に血栓が多発する疾患である。その結果、各臓器の虚血性機能不全とともに血小板や凝固因子の減少と、線溶系の亢進が見られ、出血傾向が現れる。凝固因子の減少を認めるため、プロトロンビン時間は延長する。

4 誤
血友病Aは、内因系凝固因子である第Ⅷ因子が欠乏し、深部出血をきたす疾患であるが、外因系および共通系凝固因子は正常であるため、プロトロンビン時間は正常である。

5 誤
腎性貧血は、腎機能の低下に伴うエリスロポエチンの産生低下により生じる疾患である。凝固因子に異常は認められないため、プロトロンビン時間は正常である。

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