平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 92

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問 92  正答率 : 48.5%

 国家試験問題

国家試験問題
分子の分極の度合いは、(電気)双極子モーメントµとして下式のように定量的に表すことができる。
µQγ
Qは電荷、γは電荷間の距離を表す。0.1 nm離れた電子1個分の電荷+e、-eの双極子モーメントは、電荷が1.6×10-19(C)であることから1.6×10-29(C・m)となる。

ヨウ化水素HIの双極子モーメントを求めたところ、1.4×10-30(C・m)であった。H-I結合距離を0.16 nmとしたとき、HIのイオン性は何%程度と見積もることができるか。最も近い値(%)を1つ選べ。ただし、H-I間で電子1個分の電荷(+e、-e)がそれぞれの原子上に分離しているとき、HIは100%イオン性を示すものとする。

1 1


2 5


3 10


4 20


5 40

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問 92    

 e-REC解説

解答 2

分子の分極の度合いである(電気)双極子モーメントµは、電荷Q及び電荷間の距離γに比例するため、以下の式より算出することができる。
µQγ
本設問では、双極子モーメントの値から、HIのイオン性を算出する必要がある。
HIのイオン性は、HIが完全にイオン化した際の双極子モーメントに対するHIの双極子モーメントより算出することができる。
HIのイオン性=HIの双極子モーメント/HIが完全にイオン化した際の双極子モーメント

HIの双極子モーメント:1.4×10-30(C・m)
HIが完全にイオン化した際の双極子モーメント:1.6×10-19(C)×0.16(nm)=2.56×10-29(C・m)

HIのイオン性=1.4×10-30/2.56×10-29=0.05468=5%

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