平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 99

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問 99  正答率 : 69.4%

 国家試験問題

国家試験問題
以下は日本薬局方アセトアミノフェンの純度試験(液体クロマトグラフィー)の記述の一部である。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

操作条件
検出器:A紫外吸光光度計(測定波長:225 nm)
カラム:内径約4 mm、長さ約15 cmのステンレス管に5 µmの液体クロマトグラフィー用Bオクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:CpH4.7の0.05 mol/Lリン酸二水素カリウム試液/メタノール混液(4:1)
流量:アセトアミノフェンの保持時間が約5分になるように調整する。
カラムの選定:本品及び4−アミノフェノール塩酸塩0.01 gずつをメタノール1 mLに溶かし、移動相を加えて50 mLとする。この液1 mLをとり、移動相を加えて10 mLとする。この液10 µLにつき、上記の条件で操作するとき、   D   の順に溶出し、そのE分離度が7以上のものを用いる。

1 Aの検出器の光源には、通常、キセノンランプが用いられる。


2 Bのオクタデシルシリル化シリカゲルは順相系の固定相である。


3 Cの移動相中のメタノール含量を増やすと、アセトアミノフェンの保持時間は短くなる。


4 Dは、アセトアミノフェン、4−アミノフェノールの順である。


5 Eの条件をみたすとき、分離度が1.5以上であるので、2つのピークは完全分離している。

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問 99    

 e-REC解説

解答 3、5

1 誤
本試験の検出器は紫外吸光光度計(測定波長:225 nm)を用いており、光源は紫外領域の波長の電磁波を放出する重水素放電管を用いる。なお、キセノンランプは蛍光光度法の光源として用いる。

2 誤
オクタデシルシリル化シリカゲルは、極性の低い逆相系の固定相である。なお、順相系の固定相には極性の高いシリカゲルなどを用いる。

3 正
本試験は、極性の低いオクタデシルシリル化シリカゲルを固定相に用いているため、極性の低い化合物ほど固定相に保持されやすく、保持時間は長くなる。本問のように、移動相中のメタノールの含量を増やすと、移動相の極性は相対的に小さくなり、アセトアミノフェンは移動相に分配されやすくなる。そのため、アセトアミノフェンの保持時間は短くなる。

4 誤
本試験で分離を行う、アセトアミノフェンと4−アミノフェノール構造は以下のとおりである。
スクリーンショット 2018-08-15 12.38.05.png

両物質の極性を比較すると、アセトアミノフェンの方が極性は低く、固定相に保持されやすい。よって、4−アミノフェノール、アセトアミノフェンの順に溶出する。

5 正
日本薬局方では、分離度が1.5以上であるとき2つのピークは完全分離しているものと定義されている。

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