平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 99

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問 99  正答率 : 35.3%

 国家試験問題

国家試験問題
次の記述は、酸が混在する中性医薬品の純度試験に関するものである。以下の試験から求められる酸の残存量は、硫酸に換算して何%以下か。最も近い値を1つ選べ。ただし、硫酸の分子量を98.08とする。
「本品5.0 gを新たに煮沸して冷却した水50 mLに溶かし、フェノールフタレイン試液3滴及び0.01 mol/L水酸化ナトリウム液0.60 mLを加えるとき、液の色は赤色である。」

1 0.006


2 0.012


3 0.12


4 0.3


5 0.6

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問 99    

 e-REC解説

解答 1

本試験において、フェノールフタレイン試液を加えたとき、液が赤色を呈したことから、水酸化ナトリウムを加えたあとの液性はアルカリ性であることがわかる。このことから、この中性医薬品に混在している酸は加えられた水酸化ナトリウムですべて中和され、液中には過剰の水酸化ナトリウムが存在していることが分かる。よって、中性医薬品に混在している酸は、0.01 mol/L水酸化ナトリウム液0.60 mLで中和できる量より少ないといえる。
本設問では、中性医薬品に混在する酸を硫酸に換算した際の残存量が問われているため、反応は以下の硫酸と水酸化ナトリウムの反応式として考える。

スクリーンショット 2017-04-03 20.45.26.png

0.01 mol/L水酸化ナトリウム液0.60 mL中の水酸化ナトリウムは0.006 mmolであり、また、上記反応式より硫酸と水酸化ナトリウムは1:2で反応するため、0.01 mol/L水酸化ナトリウム液0.60 mLで中和できる硫酸量は0.003 mmolである。よって、この中性医薬品に混在する酸の上限量は硫酸換算して0.003 mmolである。
硫酸の分子量は98.08であるため、この時の硫酸の質量は、98.08×0.003 mmol≒0.294 mg=0.294×10-3 gとなり、これは中性医薬品5.0 gの約0.006%にあたる。
よって、中性医薬品に混在する酸の残存量は、硫酸に換算して0.006%以下である。

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