平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 167

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問 167  正答率 : 46.9%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 シトクロムP450(CYP)による酸化的代謝と比較して、抱合代謝やアルコールの酸化は肝疾患による影響を受けにくい。
2 高齢者では、CYPによる酸化的代謝とグルクロン酸抱合代謝が同程度に低下する。
3 喫煙はCYP1A2の誘導を引き起こし、トリアゾラムの血中濃度を低下させる。
4 CYPの遺伝子多型では、代謝活性が上昇する場合や低下する場合がある。

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問 167    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
肝臓における疾患(脂肪肝や肝硬変など)では、シトクロムP450(CYP)は減少するが、抱合反応に関与する酵素やアルコールの酸化に関与する酵素はほとんど変化しない。
よって、シトクロムP450(CYP)による酸化的代謝と比較して、抱合代謝やアルコールの酸化は肝疾患による影響を受けにくい。

2 誤
加齢に伴い、CYPの活性は低下するが、グルクロン酸抱合能は、加齢による影響をほとんど受けない。そのため、高齢者では、CYPによる酸化的代謝が低下し、グルクロン酸抱合代謝が若い頃に比べほとんど変化していない。

3 誤
喫煙はCYP1A2の誘導を引き起すが、トリアゾラムは主にCYP3A4で代謝されるため、喫煙によるトリアゾラムの血中濃度変化はほとんどみられない。

4 正
遺伝子多形とは、遺伝子変異のうち、人口の1%以上の頻度でヒトにみられる変異のことであり、CYPの遺伝子多型では、代謝活性が上昇する場合や低下する場合がある。

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