平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 97

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問 97  正答率 : 75.1%

 国家試験問題

国家試験問題
液体クロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 質量分布比(k´)が小さいほど、試料はカラムに保持されやすい。
2 同一の分離条件で2つの化合物の保持時間が同じ場合、分離係数(α)は0である。
3 理論段数(N)が大きい値を示すほど、優れた分離系である。
4 テーリングしたピークのシンメトリー係数(S)は、1.0より小さい。
5 ピークの完全分離とは、分離度(Rs)1.5以上を意味する。

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問 97    

 e-REC解説

解答 3、5

1 誤
質量分布比(k´)は、試料がカラムに保持される程度を示す値である。質量分布比(k´)は以下の式で表すことができる。
スクリーンショット 2017-04-03 20.37.10.png
よって、質量分布比(k´)が小さいほど、試料はカラムに保持されにくく、速やかにカラムから溶出する。

2 誤
分離係数(α)は、2つの成分についてピーク相互の保持時間の関係を示すものである。分離係数(α)は以下の式で表すことができる。
スクリーンショット 2017-04-03 20.37.54.png
よって、同一の分離条件で2つの化合物の保持時間が同じ(tR1=tR2)場合、分離係数(α)は1となる。

3 正
理論段数(N)は、カラム効率を示す値であり、この値が大きいほど優れた分離系であることを示す。

4 誤
シンメトリー係数(S)は、クロマトグラム上のピークの対称性の度合いを示す値である。シンメトリー係数(S)は以下の式で表すことができる。
スクリーンショット 2017-04-03 20.38.29.png
シンメトリー係数(S)は1では、ピークが正規分布(左右対称)曲線を示す。
テーリングしたピークのシンメトリー係数(S)は1より大きくなり、また、リーディングしたピークのシンメトリー係数(S)は1より小さくなる。

5 正
分離度(Rs)は、クロマトグラム上の2つの成分についてピーク相互の保持時間とそれぞれのピーク幅との関係を示すものである。分離度(Rs)が大きい値であるほど2つのピークはよく分離しており、日本薬局方一般試験法では、分離度(Rs)が1.5以上で2つのピークは完全分離したといえる。

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