平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 103

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問 103  正答率 : 46.9%

 国家試験問題

国家試験問題
メトキシベンゼン(アニソール)Aの一般的な合成法を以下に示した。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2017-04-03 21.03.13.png

1 SN2機構で進行する。
2 カルボカチオン中間体を経由して進行する。
3 ヨードメタン(C)の代わりにCH3SO3CH3を利用することができる。
4 プロトン性極性溶媒を使用すると反応が速く進行する。
5 Aは、DとEから合成することも可能である。
スクリーンショット 2017-04-03 21.03.25.png

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問 103    

 e-REC解説

解答 1、3

本法は、ウィリアムソン(Williamson)のエーテル合成法である。ウィリアムソンのエーテル合成法では、ヨードメタンのように立体障害の小さいハロゲン化アルキルに対して試薬であるナトリウム塩を求核的に攻撃させ、求核置換反応によりエーテルを合成する。

1 正
立体障害の小さいヨードメタンに対するナトリウムフェノキシドの求核置換反応である。本反応はSN2機構で進行する。
スクリーンショット 2017-04-03 21.03.38.png

2 誤
SN2反応は、カルボカチオン中間体を経由しない一段階反応である。なお、カルボカチオン中間体を経由して進行するのはSN1反応である。

3 正
本反応では、ヨードメタンのヨウ素が比較的安定なアニオンとして脱離しやすいため反応が進行する。CH3SO3CH3を利用した場合においても、CH3SO3が比較的安定なアニオンとして脱離しやすい基であるため、反応は進行する。

4 誤
プロトン性極性溶媒を使用すると、塩基である求核試薬が溶媒分子と溶媒和するため反応が妨げられる。なお、プロトン性極性溶媒を使用することで反応が速く進行するのは、SN1反応である。

5 誤
ブロモベンゼン(D)の炭素−臭素間の結合は共鳴により二重結合性を帯びているため、切断されにくい。よって求核置換反応が進行しにくく、AをDとEから合成することは困難である。

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