平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 109

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問 109  正答率 : 38.4%

 国家試験問題

国家試験問題
強心配糖体ジギトキシンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ
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1 アグリコンであるジギトキシゲニンはイソプレノイド経路で生合成される。
2 構成糖は、2,6−ジデオキシ糖のD−ジギトキソースである。
3 17位にβ,γ−不飽和5員環ラクトンが結合したカルデノリド類である。
4 ステロイド骨格のA/B環、B/C環、及びC/D環はいずれもtrans配置である。

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問 109    

 e-REC解説

解答 1、2

1 正
アグリコンは、配糖体の糖以外の構造部分(非糖部)を指す。ジギトキシンのアグリコンであるジギトキシゲニンは、ステロイド骨格を有し、イソプレノイド経路で生合成されている。

2 正
ジギトキシンの構成糖は、2位と6位にヒドロキシ基をもたない6炭糖であるD−ジギトキソースである。なお、ジギトキシンのような強心配糖体を構成している糖は、デオキシ糖であることが多い。

3 誤
ジギトキシンの17位に結合しているのはβ,γ−不飽和5員環ラクトンではなくα,β−不飽和5員環ラクトンが結合したカルデノリド類である。
また、ジギトキシンのような強心ステロイドは、17位に側鎖として不飽和5員環ラクトンが結合しているものをカルデノリド類、6員環ラクトンが結合しているものをブファジエノリド類として分類される。
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4 誤
強心ステロイドは、ほとんどの場合、A/B環及びC/D環がcis配置、B/C環はtrans配置で結合している。実際にジギトキシンの場合、ステロイド骨格のB環とC環が結合している炭素の2つのHが手前と奥側にあるため、B/C環はtrans配置をとっており、A環とB環が結合している炭素及びC環とD環が結合している炭素の2つのHが手前側と奥側にあるため、A/B環、C/D環はcis配置である。
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