平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 125

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問 125  正答率 : 73.6%

 国家試験問題

国家試験問題
次の記述は、ある食中毒の事例に関するものである。     の中に入るべき字句の正しい組合せはどれか。1つ選べ。

73歳と70歳の姉妹。早朝、脱力感、複視、眼瞼下垂などの症状が現れ、さらに呼吸困難を訴えたため、救急搬送された。症状から  A  による食中毒が疑われ、自宅に残っていた食品を調べたところ、真空パック食品の食べ残しから  A  の毒素が検出されたため、診断が確定した。対症療法に加えて抗毒素血清による治療が行われた結果、容態は改善した。
  A  による食中毒の予防には、冷蔵したり冷凍するなど  A  が増殖しにくい状態に食品を保つこと、  B  は易熱性であるので食品を食べる前に十分に加熱することなどが有効である。

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問 125    

 e-REC解説

解答 6

食中毒は、微生物に感染することによって発症する感染型食中毒と、微生物が産生する毒素の摂取によって発症する毒素型食中毒の2つに分類される。
設問中の事例では、細菌の産生した毒素が食べ残した食品から検出されているため、感染型食中毒ではなく、毒素型食中毒である可能性が高い。さらに、問題文中の「脱力感、複視、眼瞼下垂などの症状が現れ、さらに呼吸困難を訴えた」という症状と、「真空パック食品の食べ残し」という記述から、本問の食中毒の事例は、神経毒素を産生する嫌気性菌であるボツリヌス菌によるものと考えられる。ボツリヌス菌は、毒素型細菌性食中毒を引き起こす細菌であり、食品中で毒素(ボツリヌス毒素)を産生する。芽胞を形成するため菌は耐熱性であるが、ボツリヌス毒素は易熱性であるため、食品を食べる前に十分加熱することなどにより食中毒を予防することが出来る。

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