平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 208,209

Pin Off  未ブックマーク   
問 208  正答率 : 57.7%
問 209  正答率 : 77.4%

 国家試験問題

国家試験問題
61歳男性。2日ほど前から左側腹部に軽度の疼痛があり、皮疹が認められた。帯状疱疹と診断され、以下の薬剤が処方された。なお、検査値を確認したところ、ASTは31 IU/L、ALTは23 IU/L、クレアチニンクリアランスは40 mL/minであった。
スクリーンショット 2017-04-04 19.18.21.png

問208(実務)
これらの処方について、提案すべき処方変更として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 バラシクロビル塩酸塩錠556 mgの用法・用量を1回2錠(1日4錠)、1日2回、朝夕食後投与に変更する。
2 バラシクロビル塩酸塩錠556 mgの用法・用量を1回3錠(1日9錠)、1日3回、朝昼夕食後投与に変更する。
3 バラシクロビル塩酸塩錠556 mgをアシクロビル錠400 mgに変更し、用法はそのままとする。
4 アセトアミノフェン錠300 mgをロキソプロフェンナトリウム水和物錠60 mgに変更し、用法はそのままとする。
5 アセトアミノフェン錠300 mgをチアラミド塩酸塩錠100 mgに変更し、用法はそのままとする。


問209(物理・化学・生物)
バラシクロビルは、加水分解によりアシクロビルに変換され活性を発現する。切断される位置はどれか。1つ選べ。
スクリーンショット 2017-04-04 19.18.33.png

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 208    
問 209    

 e-REC解説

問208 解答 1

問題文に、「検査値を確認したところ、ASTは31 IU/L、ALTは23 IU/L、クレアチニンクリアランスは40 mL/minであった。」とあることから、本患者は、肝機能は正常であるが、腎機能は低下していることがわかる。
本患者に処方されているバラシクロビル塩酸塩錠556 mg(バラシクロビルとして500 mg)を腎機能低下患者に投与する場合、腎機能に応じて投与量を調節する必要があり、アセトアミノフェンは重篤な腎障害のある患者に禁忌とされているため、投与するかどうかを検討する必要がある。
腎機能低下患者に対するバラシクロビルの用法及び用量について以下にまとめる。
スクリーンショット 2017-04-04 19.18.42_tmpF018.png
本患者は帯状疱疹と診断されていることから、バラシクロビル塩酸塩錠556 mg(バラシクロビルとして500 mg)の用法・用量を1回2錠(1日4錠)、1日2回、朝夕食後投与に変更する必要がある。

1 正
前記参照

2 誤
前記参照

3 誤
アシクロビルを帯状疱疹患者に用いる場合は、通常成人には1回800 mgを1日5回経口投与する。よって、バラシクロビル塩酸塩錠556 mgをアシクロビル錠400 mgに変更し、用法はそのままとすることは適切ではない。

4 誤
アセトアミノフェンと同様、ロキソプロフェンナトリウム、チアラミドも重篤な腎障害のある患者に禁忌とされているため、アセトアミノフェン錠300 mgをロキソプロフェンナトリウム水和物錠60 mg、チアラミド塩酸塩錠100 mgに変更することは適切ではない。

5 誤
解説4参照


問209 解答 3

バラシクロビルは、エステル部分(設問の構造式のおける3の部分)が加水分解され、アシクロビルとL−バリンに変換される。
スクリーンショット 2017-04-04 19.18.55.png

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします