平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 174

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問 174  正答率 : 63.7%

 国家試験問題

国家試験問題
界面活性剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 イオン性界面活性剤において、アルキル鎖が長くなるほどクラフト点は低くなる。
2 親水性親油性バランス(HLB)値が小さい界面活性剤ほど、疎水性が高い。
3 HLB値が3.7の界面活性剤2 gと、HLB値が11.5の界面活性剤1 gを混合して得た界面活性剤のHLB値は、7.6である。
4 イオン性界面活性剤水溶液のモル電気伝導率は、臨界ミセル濃度以上で急激に減少する。
5 臨界ミセル濃度以上では、界面活性剤分子はミセルを形成するため、単分子として溶解しているものはない。

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問 174    

 e-REC解説

解答 2、4

1 誤
クラフト点とは、ミセル形成により、イオン性界面活性剤の溶解度が急激に上昇する温度である。イオン性界面活性剤のアルキル鎖が長くなるほど、溶解度が小さくなるため、クラフト点は高くなる。

2 正
親水性親油性バランス(HLB)値は、界面活性剤の親水性と疎水性のバランスを表す尺度のことであり、HLB値が小さい界面活性剤ほど、疎水性が高い。なお、一般にHLB:7以上の界面活性剤は親水性であり、HLB:7以下の界面活性剤は疎水性である。

3 誤
界面活性剤を混合したときのHLB値は、以下の式を用いて求めることができる。
スクリーンショット 2016-07-05 13.16.15.png
HLBA:界面活性剤AのHLB値、HLBB:界面活性剤BのHLB値
WA:界面活性剤Aの質量、WB:界面活性剤Bの質量、
問題の条件より、混合して得た界面活性剤のHLB値を以下のように求めることができる。
スクリーンショット 2016-07-05 13.28.44.png

4 正

5 誤
臨界ミセル濃度以上では、界面活性剤分子は、界面に吸着している状態(単分子の状態)、溶液中に溶解している状態(単分子の状態、ミセルの状態)で存在している。

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