平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 222,223

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問 222  正答率 : 53.3%
問 223  正答率 : 84.3%

 国家試験問題

国家試験問題
56歳男性。身長165 cm、体重63 kg。直腸がんと診断され、フルオロウラシル・ホリナートカルシウム・イリノテカン塩酸塩水和物療法(FOLFIRI)とセツキシマブ(遺伝子組換え)製剤との併用療法が開始された。

問222(実務)
上記併用療法における医薬品の使用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 フルオロウラシルは、急速静注後、持続静注する。
2 ホリナートカルシウムは、フルオロウラシルの副作用を抑制する目的で投与する。
3 イリノテカン塩酸塩水和物は、フルオロウラシル投与後に点滴静注する。
4 セツキシマブは、KRAS遺伝子変異の有無を考慮した上で使用する。


問223(物理・化学・生物)
図は、動物細胞の構造を模式的に表したものである。セツキシマブの標的分子である上皮増殖因子受容体(EGFR)の細胞における局在について、正しい場所を示しているのはどれか。1つ選べ。
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問 222    
問 223    

 e-REC解説

問222 解答 1、4

1 正
FOLFIRI療法では、ホリナートカルシウム、イリノテカンを2時間かけて点滴静注した後、フルオロウラシルを急速静注し、その後22時間又は24時間又は46時間かけて点滴持続静注する。

2 誤
ホリナートカルシウムは、フルオロウラシルの作用を増強する目的で投与する。

3 誤
解説1参照。

4 正
セツキシマブは、抗ヒトEGFRモノクローナル抗体であり、EGFR陽性の治癒切除不可能な進行・再発の結腸・直腸がんに適応をもつ。KRAS遺伝子の変異が認められる場合、本剤の効果が低下するとの報告があるため、セツキシマブを使用する際はKRAS遺伝子変異の有無を考慮する。


問223 解答 5

上皮増殖因子受容体(EGFR)は、細胞膜に存在するチロシンキナーゼ型受容体の一種である。したがって、模式図内の細胞膜上にEGFRが存在する5が該当する。

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