平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 226,227

Pin Off  未ブックマーク   
問 226  正答率 : 77.5%
問 227  正答率 : 67.3%

 国家試験問題

国家試験問題
66歳女性。2ヶ月ほど前から労作時の息切れと体のだるさを感じ、病院を受診した。女性は6年前に胃がんで胃全摘術を受け、2年前まで定期的な検査通院をしていた。
身体所見及び血液学的検査値は、脈拍108/分、血圧105/60 mmHg、赤血球125万/µL、白血球3,500/µL、血小板13万/µL、Hb 4.4 g/dL、Ht 14%、MCV 110 fLであった。女性には、ビタミン成分を含有する薬剤Aの投与が行われ、ミネラル成分を含有する薬剤Bが処方された。

問226(衛生)
この症状を改善する目的で投与された薬剤Aに含まれるビタミンはどれか。1つ選べ。
スクリーンショット 2017-04-04 21.08.16.png


問227(実務)
薬剤Bの服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 血圧が上がることがありますので、定期的に血圧を測定しましょう。
2 眠くなることがありますが、ご心配ありません。
3 便の色が黒っぽくなることがありますが、ご心配ありません。
4 出血すると、血が止まりにくくなることがありますが、その時は医師に相談してください。
5 この薬と同時に飲むと吸収が悪くなる薬がありますので、薬剤師に相談してください。

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 226    
問 227    

 e-REC解説

問226 解答 2

身体所見、胃全摘術を受けていることに加え、血液学的検査で赤血球数の低下(基準値:約400〜500万/µL)、ヘモグロビン(Hb)低値(基準値:約12〜15 g/dL)、ヘマトクリット(Ht)低値(基準値:約40〜45%)、MCV高値(基準値:80〜100 fL)であることから、鉄欠乏性貧血及びビタミンB12欠乏性巨赤芽球性貧血を発症していると推察される。よって、本患者に投与された薬剤AはビタミンB12である。

1 誤
コレカルシフェロール(ビタミンD3)の構造である。

2 正
ヒドロキシコバラミン(ビタミンB12)の構造である。

3 誤
リボフラビン(ビタミンB2)の構造である。

4 誤
チアミン塩酸塩(ビタミンB1)の構造である。

5 誤
ビオチンの構造である。


問227 解答 3、5

本患者は鉄欠乏性貧血であると考えられる。そのため、本患者に対して処方されたミネラル成分を含む薬剤Bは、鉄剤である。
鉄剤が処方された場合、「服用により便が黒くなることがあるが、心配せず、服用をそのまま続けてもよい」ことや「同時に飲むと吸収が悪くなる薬があるので、併用薬がある場合、薬剤師に相談する」ことなどを服薬指導時に伝えておく必要がある。なお、鉄剤と同時に服用することで吸収性が低下するものとして、テトラサイクリン系抗生物質、ニューキノロン系抗菌薬、セフジニルなどがある。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします