平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 147

Pin Off  未ブックマーク   
問 147  正答率 : 76.3%

 国家試験問題

国家試験問題
製造物責任法に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 損害賠償の請求権には時効がない。
2 医薬品の添付文書の記載の不備は、製造物の欠陥とはならない。
3 医薬品に副作用が生じれば、直ちに製造物としての欠陥になる。
4 製造物の欠陥により生じた生命や身体への被害が対象であり、財産への被害は対象ではない。
5 製造物を引き渡した時における科学又は技術に関する知見によって欠陥を認識することができなかった場合には、製造業者は損害賠償責任を負わない。

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 147    

 e-REC解説

解答 5

1 誤 
損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び賠償義務者を知った時から3年間行わないときは、時効によって消滅する。その製造業者等が当該製造物を引き渡した時から10年を経過したときも、同様とする。ただし、前述の期間は、身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質による損害又は一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる損害については、その損害が生じた時から起算する。

2 誤
製造物責任法において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、以下の3つに大別される。
一 製造上の欠陥
二 設計上の欠陥
三 指示・警告上の欠陥
 添付文書の不備は上記のうち「指示・警告上の欠陥」にあたり、製造物の欠陥の一つである。

3 誤
設計通りの品質を有し、有効性、安全性(副作用情報等)が明示されていれば、欠陥のない製造物とみなされる。したがって、副作用を生じる医薬品が直ちに欠陥がある製造物とはならない。

4 誤
製造物責任法は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。よって、財産への被害も保護対象となる。

5 正
当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかった場合、製造物責任法に規定する賠償の責任は生じない。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします