平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 166

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問 166  正答率 : 70.5%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物の生体膜輸送についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 単純拡散による輸送速度は薬物濃度差に比例するが、促進拡散及び能動輸送では飽和性が見られる。
2 単純拡散による輸送は生体エネルギーを必要としないが、促進拡散及び能動輸送では生体エネルギーを必要とする。
3 単純拡散及び促進拡散の場合、薬物の濃度勾配に従って輸送されるが、能動輸送では濃度勾配に逆らって輸送される場合がある。
4 能動輸送はトランスポーターを介して起こるが、単純拡散及び促進拡散にはトランスポーターは関与しない。
5 単純拡散及び促進拡散の場合、構造類似体の共存による影響は受けないが、能動輸送では影響を受ける場合がある。

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問 166    

 e-REC解説

解答 1、3

1 正
単純拡散による輸送は、Fickの法則に従うため、その輸送速度と薬物濃度差は比例の関係を示す。担体を介した輸送である促進拡散及び能動輸送は、Michaelis−Menten式に従うため、それらの輸送では、飽和性が見られる。

2 誤
単純拡散及び促進拡散による輸送は生体エネルギーを必要としないが、能動輸送では生体エネルギーを必要とする。

3 正
単純拡散及び促進拡散では生体内エネルギーを利用しないため、濃度勾配に従った輸送が起こるが、能動輸送では生体内エネルギーを利用するため、濃度勾配に逆らった輸送が起こることもある。

4 誤
促進拡散及び能動輸送は、トランスポーターを介して起こるが、単純拡散にはトランスポーターは関与しない。

5 誤
担体を介した輸送である促進拡散及び能動輸送の場合、構造類似薬物の共存により、膜透過速度が低下することがある。

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