平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 270,271

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問 270  正答率 : 69.1%
問 271  正答率 : 68.1%

 国家試験問題

国家試験問題
40歳男性。体重65 kg。病院で腎移植後、シクロスポリンを含む処方による治療を継続中である。1年後の定期検診で脂質異常症と高血圧症を指摘された。

問270(実務)
これらの症状を改善する次の薬物のうち、シクロスポリンと併用禁忌なのはどれか。1つ選べ。

1 アムロジピンベシル酸塩
2 イコサペント酸エチル
3 カルテオロール塩酸塩
4 コレスチラミン
5 ロスバスタチンカルシウム


問271(薬剤)
前問において併用禁忌となる相互作用の主なメカニズムはどれか。1つ選べ。

1 ペプチドトランスポーターを介した小腸吸収の阻害
2 有機アニオントランスポーターを介した肝取り込みの阻害
3 肝CYP3A4による代謝の亢進
4 糸球体ろ過速度の上昇
5 有機カチオントランスポーターを介した尿細管分泌の阻害

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問 270    
問 271    

 e-REC解説

問270 解答 5

シクロスポリン投与中にロスバスタチンを併用すると、ロスバスタチンの血漿中濃度が上昇することがある。そのため、シクロスポリン服用中にロスバスタチンを投与するとロスバスタチンの副作用である横紋筋融解症が発現しやすくなるため、シクロスポリンとロスバスタチンは併用禁忌となっている。


問271 解答 2

シクロスポリンは、薬物の肝臓への取り込みに関与する有機アニオントランスポーターを阻害する。また、ロスバスタチンは、有機アニオントランスポーターを介して肝臓に取り込まれる。これらのことから、シクロスポリンとロスバスタチンを併用すると、シクロスポリンがロスバスタチンの肝臓への取り込みに関与する有機アニオントランスポーターを阻害するため、ロスバスタチンの血漿中濃度が上昇すると考えられる。

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