平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 284,285

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問 284  正答率 : 47.8%
問 285  正答率 : 59.7%

 国家試験問題

国家試験問題
65歳男性。血液透析が施行されており、以下の薬剤を処方されていた。
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今回の検査において、eGFR(推算糸球体ろ過速度)15 mL/min/1.73 m2、血中リン濃度5.5 mg/dL、補正血中カルシウム濃度11.0 mg/dL、血中アルブミン濃度3.7 g/dLという結果となり、以下の処方に変更になった。

スクリーンショット 2017-04-25 19.06.14.png

問284(実務)
上記処方に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 カルタン錠は、血中リン濃度を上昇させる目的で処方された。
2 今回の処方変更は、血中カルシウム濃度が高値を示しているためである。
3 セベラマー塩酸塩錠は、経口投与されたカルシウムの吸収を促進させる。
4 セベラマー塩酸塩錠は、血中リンの排泄を促進する薬剤である。
5 セベラマー塩酸塩錠の重大な副作用として、腸管穿孔や腸閉塞がある。

問285(薬剤)
セベラマー塩酸塩錠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 主薬は、消化酵素で分解されて活性体となる。
2 主薬は、カチオン性ポリマーである。
3 主薬は、水に速やかに溶解する。
4 胃で作用する製剤である。
5 浸透圧を利用して主薬を放出する。

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問 284    
問 285    

 e-REC解説

問284 解答 2、5

1 誤
カルタン錠は、沈降炭酸カルシウム製剤であり、消化管におけるリンの吸収を抑制して血中リン濃度を低下させる。よって、カルタン錠は、血中リン濃度を低下させる目的で処方されている。

2 正
カルタン錠の副作用として、高カルシウム血症が知られている。本患者は検査において、補正血中カルシウム濃度11.0 mg/dL(基準値:8.5〜10.5 mg/dL)が高値を示したため、高カルシウム血症を起こしにくいセベラマー塩酸塩への処方変更が行われたと考えられる。

3 誤
セベラマー塩酸塩錠は、経口投与されたリン酸の吸収を抑制する。

4 誤
解説3参照

5 正
セベラマー塩酸塩錠の重大な副作用として、腸管穿孔や腸閉塞がある。


問285 解答 2

セベラマー塩酸塩錠は、カチオン性ポリマーであり、消化管内でリンと結合して糞中へのリン排泄を促進する。

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