平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 123

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問 123  正答率 : 54.8%

 国家試験問題

国家試験問題
食品に由来する発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 亜硝酸と二級アミンからのニトロソアミンの生成は、pHが7付近で最も起こりやすい。
2 サイカシンは、体内でβ−グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。
3 べンゾ[a]ピレンは、食品の焦げた部分などに含まれる多環芳香族炭化水素の一種である。
4 タンパク質を加熱したときに生成するGlu-P-1は、エポキシ体に代謝されて変異原性を示す。
5 ジャガイモを揚げたときなどに生成するアクリルアミドは、ヘテロサイクリックアミンの一種である。

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問 123    

 e-REC解説

解答 2、3

1 誤
亜硝酸と二級アミンからのニトロソアミンの生成は、酸性条件下(pH3付近)で最も起こりやすい。野菜に含まれる硝酸は、口腔内細菌による還元を受けて亜硝酸となり、魚卵や魚肉に含まれる二級アミンと酸性条件下(pH3付近)で反応して、発がん物質であるジメチルニトロソアミンを生じる。

2 正
サイカシンは、ソテツの実に含まれる発がん物質であり、体内でβ−グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。メチルカチオンは、DNAをアルキル化することによって発がん性を示す。

3 正
べンゾ[a]ピレンは、食品の焦げた部分やタバコの煙に含まれる多環芳香族炭化水素の一種であり、シトクロムP450(CYP1A1)及びエポキシドヒドロラーゼによって代謝活性化されてエポキシ体になり、発がん性を示す。

4 誤
タンパク質を加熱したときに生成するGlu-P-1は、CYP1A2によってN-水酸化を受けてヒドロキシルアミン誘導体となる。その後、ヒドロキシルアミン誘導体は、アセチル化を受けて活性本態であるニトレニウムイオンやカルボニウムイオンとなる。

5 誤
ヘテロサイクリックアミンは、食品中のアミノ酸やタンパク質が加熱されることによって生成する物質であり、Trp-P-1やGlu-P-1などがある。ジャガイモなどの食品中に含まれるアスパラギンは、グルコースなどの還元糖と加熱調理時にメイラード反応を起こし、神経障害を引き起こすアクリルアミドを生成する。

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