平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 232,233

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問 232  正答率 : 59.2%
問 233  正答率 : 51.5%

 国家試験問題

国家試験問題
小児と一緒に薬局を訪れた母親から、薬剤師に対して予防接種に関する相談があった。

問232(実務)
小児に予防接種を受けさせる場合に、接種時期に関わらず任意接種となることを説明すべき疾病はどれか。2つ選べ。

1 ジフテリア
2 インフルエンザ
3 流行性耳下腺炎
4 ポリオ


問233(衛生)
予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 我が国においては、麻疹の感染は完全に抑えられているとはいえない。
2 麻疹と風疹の混合ワクチンの接種時期は、生後12〜24月未満と小学校就学前である。
3 結核の予防接種は行われていない。
4 DPT混合ワクチンには、百日咳菌のトキソイドが含まれている。

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問 232    
問 233    

 e-REC解説

問232 解答 2、3

予防接種は大きく分けて、予防接種法で定められた予防接種(定期接種)と任意の予防接種の2つに分類される。予防接種法では、対象疾病をA類疾病とB類疾病に分類し、対象疾病の他に対象者(対象年齢)を定めている。

1 誤
ジフテリアはA類疾病であり、原則はジフテリア・破傷風・百日咳・不活化ポリオの四種混合ワクチン(DPT-IPV)を生後3〜90月未満に定期接種する。その後、DTトキソイド(ジフテリア・破傷風)を11〜13歳未満に1回接種する。

2 正
インフルエンザはB類疾病であり、65歳以上または60歳以上65歳未満であって、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に障害を有する者として厚生労働省令に定める者が定期接種であり、これに該当しない者は任意の接種となる。

3 正
流行性耳下腺炎は予防接種法における定期接種ではなく、任意の予防接種である。2回接種することが望ましいとされ、対象年齢は、生後12月〜24月に至るまでの者(1期)、5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者(2期)である。

4 誤
解説1参照。


問233 解答1、2

1 正
我が国の麻疹の患者報告数は200〜500人程度であり、麻疹の感染を完全に抑えられているとはいえない。

2 正
麻疹と風疹は予防接種法においてA類疾病に分類されており、2回接種することになっている。対象年齢は、生後12〜24月未満に1回(1期)、5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者(2期)である。

3 誤
結核は予防接種法においてA類疾病に分類されており、平成25年3月31日まで、BCGワクチンの接種は生後6ヵ月に至るまでに接種することとなっていたが、平成25年4月1日以降は生後1歳に至るまでの間に接種することと変更になった。

4 誤
百日咳はトキソイドではなく、不活化ワクチンである。なお、DPT混合ワクチンは、ジフテリア・破傷風、百日咳から構成されているが、DPT混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを加えたDPT-IPV混合ワクチンが平成24年11月から定期接種に導入された。

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