平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 107

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問 107  正答率 : 83.0%

 国家試験問題

国家試験問題
プロプラノロールは、エナンチオマー間で交感神経のアドレナリンβ受容体遮断作用に差があることが知られている。プロプラノロールの受容体結合部位との相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

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1 ファーマコフォアでは、三次元的な構造が重要である。
2 側鎖上のイソプロピル基は、結合部位と水素結合を形成する。
3 側鎖上のNHは、結合部位と疎水性相互作用する。
4 側鎖上のOHは、結合部位と水素結合を形成する。
5 エーテル結合の酸素は、結合部位とイオン結合を形成する。

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問 107    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
受容体とそのリガンド(アゴニスト)の関係は鍵と鍵穴のような関係であり、三次元構造が重要である。特に問題のような不斉炭素中心を有する化合物の場合、そのエナンチオマー間で受容体との相互作用が異なるため、生物(薬理)活性に大きな違いが見られることがある。
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2 誤
イソプロピル基のアルキル側鎖は炭素原子と水素原子のみから構成されていて電気陰性度の差が小さいため、水素結合することができない。アルキル側鎖は受容体の疎水性アミノ酸残基と疎水性相互作用をすると考えられる。

3 誤
アミンの窒素原子上の非共有電子対は、主に酸性プロトンを有するアミノ酸残基(セリン、スレオニン、チロシン、システインなど)等と水素結合をする。また、水素原子もヘテロ原子(酸素、窒素、硫黄)を有するアミノ酸残基等と水素結合する可能性がある。

4 正
アルコールの水素原子は主に、リジン、アルギニン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸残基と水素結合する。また、酸素原子上の非共有電子対は、酸性プロトンを有するアミノ酸残基等と水素結合する。

5 誤
エーテルの酸素原子上の非共有電子対は、酸性プロトンを有するアミノ酸残基と水素結合する。

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