平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 109

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問 109  正答率 : 63.5%

 国家試験問題

国家試験問題
生物活性天然物とその生合成経路に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 カンプトテシンとフィゾスチグミンはトリプトファン由来のアルカロイドである。
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2 チモールとレスベラトロールはイソプレノイド経路で生合成される。
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3 ポドフィロトキシンとテトラサイクリンはシキミ酸経路で生合成される。
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4 シアニジンとダイゼインはシキミ酸経路と酢酸−マロン酸経路の複合経路で生合成される。
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問 109    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
トリプトファンから生合成されるアルカロイドはインドール骨格やインドリン骨格を有し、インドールアルカロイドと呼ばれる。代表的なものに、フィゾスチグミンやリゼルグ酸、レセルピンなどがある。カンプトテシンはインドール骨格の酸化的な解裂を経て合成される。
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2 誤
イソプレノイド経路ではイソプレン(分岐した5炭素のユニット)を構成単位として、様々な天然物が生合成される。チモールは下図のように2つのイソプレンユニットに分解できるが、レスベラトロールはできない。レスベラトロールは選択肢4に示すスチルベノイドである。
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3 誤
天然物には芳香環(C6)にC3ユニットを有する化合物が多く存在し、フェニルプロパノイドと総称されている。フェニルプロパノイドの芳香環部位はシキミ酸を原料とするシキミ酸経路で生合成されている。ポドフィロトキシンはフェニルプロパノイド2ユニットから生合成されていると推察できる。一方、テトラサイクリンは酢酸-マロン酸経路によってアセチルCoAとマロニルCoAからポリケチドを経由して生合成される。
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4 正
いずれの化合物もフラボノイドから合成できると推察できる。フラボノイドはカルコンから生合成されるが、その原料はシキミ酸由来のフェニルプロパノイドとマロニルCoAから合成される複合経路をとる。
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