平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 270,271

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問 270  正答率 : 63.0%
問 271  正答率 : 58.7%

 国家試験問題

国家試験問題
問270〜271
10歳男児。体重30 kg。てんかんのためフェノバルビタールを服用していた。最近、傾眠傾向にあり、母親が心配になり、男児と医療機関を受診した。薬剤師がフェノバルビタールの血清中濃度を測定したところ40 µg/mLであり、治療有効濃度を超えていた。男児の肝機能及び腎機能は正常であった。

問270(実務)
この患者への処置として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 アトロピン硫酸塩水和物の静注
2 フルマゼニルの静注
3 炭酸水素ナトリウムの点滴静注
4 塩化アンモニウムの点滴静注
5 ホリナートカルシウムの静注


問271(薬剤)
前問で選択した薬物がフェノバルビタールの体内動態に及ぼす影響として、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 消化管吸収の阻害
2 尿細管再吸収の抑制
3 尿細管分泌の促進
4 受容体での拮抗
5 胆汁中排泄の促進

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問 270    
問 271    

 e-REC解説

問270 解答 3

フェノバルビタールの中毒症状が現れている場合は、以下のような処置を行う。
消化管に薬物が残留している場合は、胃洗浄、活性炭投与を行う。また、炭酸水素ナトリウムを投与し、尿をアルカリ化することや利尿剤を投与することによりフェノバルビタールの排泄を促進させる。重症の場合は、血液透析や血液灌流を行う。


問271 解答 2

炭酸水素ナトリウムを点滴静注することにより尿がアルカリ化するため、尿中で酸性薬物であるフェノバルビタールの分子形の割合が低下する。そのため、炭酸水素ナトリウムを点滴静注するとフェノバルビタールの遠位尿細管における再吸収が阻害され、尿中排泄が促進される。

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