平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 190

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問 190  正答率 : 62.9%

 国家試験問題

国家試験問題
30歳女性。動悸が主訴であった。半年ぐらい前から首が次第に太くなったことを自覚していた。首前面の腫大したところは、柔らかく特に触れて痛みはなかった。

【検査所見等】   
BMI 18、脈拍110/分 整、TSH 0.01 µU/mL以下、FT4 5.0 ng/dL
コルチゾール 10.5 µg/dL

使用される薬物として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 プロピルチオウラシル
2 レボチロキシンナトリウム
3 プロカテロール塩酸塩水和物
4 プラゾシン塩酸塩
5 プロプラノロール塩酸塩

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問 190    

 e-REC解説

解答 1、5

本患者は、女性で、動悸、首前面の腫大がみられる。また、検査所見において、TSH 0.01 µU/mL(基準値:0.6〜4.1 µU/mL)は低値を、FT4 5.0 ng/dL(基準値:0.9〜1.8 ng/dL)は高値を示していることから、本患者は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)であると考えられる。

1 正
プロピルチオウラシルは、甲状腺ホルモンの生合成を阻害することにより、甲状腺機能亢進症に用いられる。

2 誤
レボチロキシンナトリウムは、T4製剤であり、甲状腺機能低下症に用いられる。

3 誤
甲状腺機能亢進症の治療では、動悸などの症状を改善するためにプロプラノロール塩酸塩などのアドレナリンβ受容体遮断薬を用いる。なお、プロカテロール塩酸塩水和物は、アドレナリンβ2受容体刺激薬であり、甲状腺機能亢進症の治療には用いられない。

4 誤
プラゾシン塩酸塩は、アドレナリンα1受容体遮断薬であり、高血圧症や前立腺肥大症などに用いられるが、甲状腺機能亢進症には用いられない。

5 正
解説3参照。

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