平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 260,261

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問 260  正答率 : 68.6%
問 261  正答率 : 85.0%

 国家試験問題

国家試験問題
63歳女性。関節リウマチと診断され、処方1で治療を行った。
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問260(薬理)
サラゾスルファピリジンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 T細胞及びマクロファージでのサイトカイン産生を抑制する。
2 IgMのS-S結合切断作用を示す。
3 おとりのヒト型可溶性腫瘍壊死因子(TNF)受容体として働き、TNF-αの作用を抑制する。
4 ピリミジン合成を阻害し、細胞増殖を抑制する。
5 関節リウマチ以外に潰瘍性大腸炎に用いられる。


問261(実務)
処方1で治療を行ったが、10週間後も効果がなく、処方2への変更が検討されている。処方2の服薬指導として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
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1 1週間のうちの特定の日に服用することを強調して、誤用、過量投与を防止する。
2 効果発現までには時間がかかることを説明する。
3 間質性肺炎を発症することがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難などの症状があらわれた場合には、直ちに連絡するように説明する。
4 口内炎があらわれた場合には、直ちに連絡するように説明する。
5 関節リウマチの治療において、他剤が無効の場合にのみ使用すると説明する。

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問 260    
問 261    

 e-REC解説

問260 解答 1、5

サラゾスルファピリジンは、T細胞及びマクロファージからのサイトカイン産生を抑制することで抗リウマチ作用を示す。また、腸内細菌により5-アミノサリチル酸とスルファピリジンに分解され抗炎症作用を示すため、潰瘍性大腸炎にも用いられる。


問261 解答 5

1 正しい
メトトレキサートを関節リウマチに用いる際、1回2 mgを12時間間隔で週3回服用し、その後5日間休薬するなど、その用法は複雑である。そのため、服薬指導時に特定の日に服用することを強調して、誤用、過量投与を防止する。

2 正しい
メトトレキサートは、効果発現までに1〜2ヶ月を要する。

3 正しい
メトトレキサートの重大な副作用として、間質性肺炎や中毒性表皮融解症などが挙げられる。

4 正しい
メトトレキサート服用中に口内炎が現れた場合は、中毒性表皮壊死融解症や皮膚粘膜眼症候群の初期症状の可能性がある。そのため、口内炎が現れた場合は、直ちに連絡するように説明する。

5 誤っている
関節リウマチと診断されて予後不良と思われる患者では、メトトレキサートを第一選択薬として考慮する。また、他薬を2〜3ヶ月以上継続投与しても、治療目的に達しない患者には積極的にメトトレキサートの投与を考慮する。よって、問題文通り説明することは不適切である。

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