平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 175

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問 175  正答率 : 65.4%

 国家試験問題

国家試験問題
界面活性剤の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ソルビタンモノステアレートのHLB(hydrophile-lipophile balance)値は、ソルビタンモノラウレートのHLB値に比べて小さい。
2 水溶液の当量伝導度(モル伝導率)は、ある濃度以上で急激に上昇する。
3 アルキル硫酸ナトリウムの直鎖アルキル基(C10H21~C18H37)の炭素数が増加すると、クラフト点は高くなる。
4 臨界ミセル濃度以上では、溶液中にミセルとしてのみ存在する。

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問 175    

 e-REC解説

解答 1、3

1 正
HLB(hydrophile-lipophile balance)値は、界面活性剤の親油性と親水性のバランスを表す値である。HLB値が7より大きい界面活性剤は水溶性であり、HLBが7より小さい界面活性剤は親油性である。
ソルビタンモノステアレートは、ソルビタンモノラウレートに比べ、炭素鎖が長く、親油性が高い。そのため、ソルビタンモノステアレートのHLB値は、ソルビタンモノラウレートのHLB値に比べて小さい。
ソルビタンモノステアレート:アルキル鎖の炭素数18、HLB値4.7
ソルビタンモノラウレート:アルキル鎖の炭素数12、HLB値8.6

2 誤
当量伝導度(モル伝導率)とは、電解質1 mol当たりの電気伝導度であり、臨界ミセル濃度以上で急激に低下する。

3 正
クラフト点とは、イオン性界面活性剤の水に対する溶解度が急激に上昇する温度のことである。アルキル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤の直鎖アルキル基が増加すると、クラフト点は高くなる。

4 誤
臨界ミセル濃度以上において、界面活性剤はミセル及びモノマーとして存在している。

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