平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 105

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問 105  正答率 : 46.5%

 国家試験問題

国家試験問題
医薬品ア〜ウについて、正しい記述はどれか。2つ選べ。

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1 アの環内の窒素はsp混成である。
2 イは、(S)-プロリン(L-プロリン)のN-置換体である。
3 ウは、炎色反応試験で赤色を呈する。
4 アが最も水に溶けやすい。

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問 105    

 e-REC解説

解答 2、4

1 誤
医薬品アは、イミプラミン塩酸塩である。混成軌道は、分子の形の決定することに重要で、一般にsp3混成なら正四面体構造、sp2混成なら平面構造、sp混成なら直線構造となる。ある原子の混成軌道を決めるときはその原子に関与している原子や非共有電子対の数で決定する。その際に共役系に含まれる原子と共役していない原子で次のように異なる。
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イミプラミン塩酸塩のジベンゾアゼピン環内の窒素は3本の単結合を形成しているため、sp3混成である。

2 正
医薬品イは、カプトプリルであり、(S)-プロリン(L-プロリン)の構造中の窒素部分に置換基が導入されているN-置換体である。
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3 誤
医薬品ウは、インドメタシンであり、構造中に塩素を有するため、炎色反応で緑色を呈する。また、Fを除くハロゲン(Cl、Br、I)は緑色を呈する。

4 正
医薬品ア、イ、ウを比較すると、医薬品アは塩を形成しているが、医薬品イ、ウは塩を形成していない。一般に塩は水に溶けやすいことから、医薬品アが最も水に溶けやすいといえる。

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