平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 196,197

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問 196  正答率 : 56.5%
問 197  正答率 : 76.2%

 国家試験問題

国家試験問題
脂質異常症の患者。スタチン系薬単剤で治療を続けるも低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)がコントロール不良であり、主治医はコレスチミド錠を処方に追加した。

問196(実務)
医師よりコレスチミド錠に関する問い合わせがあった場合に、情報提供として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 十分量の温水にて服用させるように伝える。
2 胆道が完全閉塞している患者には禁忌であることを伝える。
3 腸管からは吸収されないことを説明する。
4 腎機能が低下した患者には用量調節が必要であることを伝える。
5 トリグリセリド値も低下させる作用があることを説明する。


問197(物理・化学・生物)
その後、この患者は、ワルファリンカリウム錠の投与が必要となった。ワルファリンはコレスチミドと併用すると吸収が阻害されることがある。その主な物理化学的要因はどれか。1つ選べ。

1 共有結合
2 水素結合
3 配位結合
4 疎水結合
5 イオン結合

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問 196    
問 197    

 e-REC解説

問196 解答 2、3

1 誤
コレスチミド錠は、温水にて服用すると膨らんで服用しにくくなる場合があるので、常温の水又は冷水で服用するように伝える。

2 正
コレスチミドは、腸管から吸収されることなく腸管内で胆汁酸を吸着し、胆汁酸の再吸収を阻害して、胆汁酸の糞中排泄量を増大させることにより、コレステロールの吸収を低下させる。そのため、コレスチミド錠は、胆道が完全閉塞している患者に投与禁忌である。

3 正
解説2参照

4 誤
コレスチミドは、腸管から吸収されないため、腎機能が低下した患者にコレスチミドを投与する際、投与量を調節する必要はない。

5 誤
コレスチミド錠は、血清総コレステロールを減少させる作用があるが、トリグリセリド値を低下させる作用はない。


問197 解答 5

コレスチミドは、第4級アンモニウム構造を有する陰イオン交換樹脂であり、分子内に陽イオン部分を有している。そのため、胆汁酸以外にもワルファリンやプラバスタチンなどの陰イオン性薬物とイオン結合し、これらの消化管吸収を阻害する。

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