平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 200,201

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問 200  正答率 : 54.7%
問 201  正答率 : 47.4%

 国家試験問題

国家試験問題
原発開放隅角緑内障の患者が、以下の内容の処方せんを保険薬局に持参した。患者インタビューの結果、ベンゾジアゼピン系薬の服薬歴があることが確認された。
スクリーンショット 2017-05-02 12.03.11.png

問200(実務)
この患者に関する情報収集と服薬指導の内容として、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 ラタノプロスト点眼液の投与により色素沈着が起こる可能性がある。
2 気管支ぜん息の有無を確認する。
3 ベンゾジアゼピン系薬の併用は禁忌である。
4 点眼液の併用時は、5分間以上の間隔をあけて点眼する。
5 アセタソラミド錠の服用により、四肢のしびれが生じることがある。


問201(物理・化学・生物)
アセタゾラミドは、HCO3とH2CO3の濃度バランスを変化させることにより、アシドーシスを引き起こすと考えられている。血漿のpHが7.4であるとき、血漿中のHCO3の濃度は、H2CO3の濃度の何倍か。最も近い値を1つ選べ。
ただし、H2CO3は、以下の式に従って解離し、そのpKaは6.1とする。また、log102=0.30、log103=0.48とする。
スクリーンショット 2017-05-02 12.02.31.png

1 0.05
2 1.3
3 10
4 13
5 20

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問 200    
問 201    

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問200 解答 3

1 正しい
ラタノプロスト点眼液の投与により虹彩色素沈着が起こる可能性がある。

2 正しい
カルテオロールはβ受容体遮断薬であり、気管支収縮作用を有するため、気管支ぜん息患者には投与禁忌である。よって、患者に気管支ぜん息の有無を確認する必要がある。

3 誤っている
ベンゾジアゼピン系薬は、閉塞隅角緑内障の患者には禁忌であるが、開放隅角緑内障の患者には禁忌ではない。

4 正しい
2種類以上の点眼薬を続けて使用すると、点眼した薬液が眼球内に留まりにくくなるため、2種類以上の点眼液を続けて使用する場合は、5分間以上間隔をあけて点眼する必要がある。

5 正しい


問201 解答 5

Henderson—Hasselbalchの式(①式)より、水溶液中の分子形(H2CO3)とイオン形(HCO3)の割合を求めることができる。
スクリーンショット 2017-05-02 12.06.35.png
問題中に血漿のpHが7.4、H2CO3のpKaが6.1とあることから、水溶液中の分子形(H2CO3)とイオン形(HCO3)の割合を以下のように求めることができる。
スクリーンショット 2017-05-02 12.08.24.png
よって、血漿中HCO3の濃度は、H2CO3の濃度の20倍である。

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