平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 224,225

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問 224  正答率 : 34.4%
問 225  正答率 : 80.5%

 国家試験問題

国家試験問題
72歳女性。肺癌に合併した閉塞性肺炎のため、入院中に抗菌化学療法を受けていた。高熱と腹痛、頻回の水様下痢などの消化器症状を呈し粘血便が見られたため糞便培養検査を行ったところ、ディフィシル菌(Clostridium difficile)及びその毒素が検出された。

問224(実務)
上記の症状を起こしやすい化学療法薬はどれか。2つ選べ。

1 クリンダマイシンリン酸エステル
2 アンピシリンナトリウム
3 ゲンタマイシン硫酸塩
4 メトロニダゾール


問225(物理・化学・生物)
上記の症状が誘起された原因として、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 菌のゲノムDNAに変異が起こった。
2 腸内の細菌叢が変化した。
3 菌が芽胞を形成した。
4 毒素タンパク質の高次構造が変化した。
5 菌の薬物代謝酵素の発現が誘導された。

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問 224    
問 225    

 e-REC解説

問224 解答 1、2

本患者は、抗菌化学療法を受けており、糞便培養検査を行ったところ、ディフィシル菌(Clostridium difficile)及びその毒素が検出されていることから、抗菌薬投与による菌交代現象によって腸内細菌叢が変化し、偽膜性大腸炎を発症していると考えられる。
偽膜性大腸炎を起こしやすい薬物として、セフェム系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質(クリンダマシンなど)、ペニシリン系抗生物質(アンピシリンナトリウムなど)がある。なお、偽膜性大腸炎の治療は、原因となる抗菌薬の投与を中止し、グリコペプチド系抗菌薬であるバンコマイシン塩酸塩の経口投与を行う。


問225 解答 2

前問参照

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