平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
必須問題 - 問 10

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問 10  正答率 : 95.2%

 国家試験問題

国家試験問題
次のアミノ酸のうち、破線で囲んだ部分の塩基性が最も強いのはどれか。1つ選べ。

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問 10    

 e-REC解説

解答 2

窒素原子(N)の非共有電子対の電子密度が高いほどHを受け取りやすくなるため塩基性は強くなる。また、共役酸(HがNに結合したもの)が安定(共鳴構造を有するなど)なものほど塩基性が高くなる。

1 誤
L−アスパラギン酸の構造である。破線で囲まれている構造は、カルボキシ基であり酸性を示すが塩基性を示さない。

2 正
L−アルギニンの構造である。破線で囲まれている構造は、グアニジノ基であり、Hを受け取り生成したカチオンは、共鳴安定化するため、強い塩基性を示す。
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3 誤
L−グルタミンの構造である。破線で囲まれている構造は、カルバモイル基(アミド)であり、Nの隣にカルボニル基(C=O)が存在しているため、共鳴する。したがって、非共有電子対が非局在化するため、塩基性をほとんど示さない。
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4 誤
L−トリプトファンの構造である。破線で囲まれている構造は、インドール基であり、インドールに含まれているNの非共有電子対は芳香族性に寄与しているため、非共有電子対は非局在化している。したがって、塩基性をほとんど示さない。
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5 誤
L−ヒスチジンの構造である。破線で囲まれている構造は、イミダゾール基である。イミダゾールの1位のNの非共有電子対は、芳香族性に関与するため、塩基性をほとんど示さない。一方、3位のNの非共有電子対は、sp2混成軌道に収容されており、非共有電子対は局在化されているため、塩基性を示す。
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