平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
必須問題 - 問 50

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問 50  正答率 : 73.5%

 国家試験問題

国家試験問題
エマルションの分散媒と分散相の密度差により、分散相が浮上する現象はどれか。1つ選べ。

1 凝集
2 塩析
3 合一
4 クリーミング
5 ケーキング

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問 50    

 e-REC解説

解答 4

一つの相(気相、液相、固相)に他の物質が微細な粒子として分散している系を分散系という。分散している物質を分散相(内相、不連続相)といい、物質を分散させている溶媒を分散媒(外相、連続相)という。簡易図を以下に示す。
スクリーンショット 2017-08-31 1.22.47.png
代表的な分散系製剤として、エマルション(分散相−液体、分散媒−液体)とサスペンション(分散相−固体、分散媒−液体)があり、分散相の性状より分類される。なお、エマルションは乳剤、サスペンションは懸濁剤と呼ばれることもある。

1 誤
凝集とは、分散相の粒子同士が付着し、集合体を形成する現象である。

2 誤
塩析とは、親水コロイドに多量の電解質を添加することで、親水コロイドが凝集し沈殿する現象である。

3 誤
合一とは、クリーミングを起こした乳剤などを放置することで、分散相の粒子同士が結合する現象である。この状態では再分散は不可能で、振り混ぜても元の乳剤に戻すことはできない。

4 正
クリーミングとは、分散媒と分散相との密度の差により分散相の液滴が浮上したり、沈降したりする現象である。この状態で再分散は可能であり、振りまぜることにより容易に元のエマルションに戻すことができる。

5 誤
ケーキングとは、サスペンションにおいて、大きな粒子から順に沈降し、沈積層(cake)が生じる現象である。生じた沈積層(cake)は、固く、再分散は不可能である。

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