平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 107

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問 107  正答率 : 52.4%

 国家試験問題

国家試験問題
ビルダグリプチンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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1 ピペリジン環を有している。
2 破線で囲んだ炭素骨格中のすべてのシクロヘキサン環は、いす形配座をとっている。
3 a及びbで示される2つの窒素原子のうち、bの方が塩基性が強い。
4 cで示される不斉炭素原子はR配置である。
5 d及びeで示される2つの炭素原子はいずれもキラル中心(立体中心)ではない。

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問 107    

 e-REC解説

解答 2、5

1 誤
ビルダグリプチンにピペリジン環はなく、ピロリジン環が存在している。
スクリーンショット 2017-10-13 22.33.17.png


2 正
破線で囲んだ炭素骨格をアダマンタン骨格という。アダマンタンは、3つのシクロヘキサン環が隣接する形で配列された多環式化合物であり、いずれのシクロヘキサンもいす形配座をとる。
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3 誤
一般に、窒素原子に存在する非共有電子対が局在化していると、H(プロトン)を受け取ることができるので塩基性を示す。しかし、非共有電子対が非局在化していると、Hを受け取ることができなくなるため、塩基性をほとんど示さない。窒素原子aの非共有電子対は局在化しているため塩基性を示すが、窒素原子bの非共有電子対は、共鳴によって非局在化しているため、塩基性をほとんど示さない。したがって、a及びbで示される2つの窒素原子のうち、aの方が塩基性が強い。

4 誤
RS順位則に従うと、下図に示す通り不斉炭素原子cはS配置となる。
スクリーンショット 2017-10-13 22.36.57.png


5 正
キラル中心とは、一般に4つの異なる原子団が結合している原子である。d及びeの原子は、それぞれ共通する原子団が存在するためキラル中心ではない。
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