平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 124

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問 124  正答率 : 56.6%

 国家試験問題

国家試験問題
以下の表における観察集団(1)及び観察集団(2)の人口統計についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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1 粗死亡率は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。
2 老年人口割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。
3 65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が低い。
4 基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団(1)では41より小さな値になる。
5 基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い値を示す。

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問 124    

 e-REC解説

解答 2、4

1 誤
粗死亡率とは、年間の死亡数を総人口で割った値であり、通常人口1,000人あたりで表す。
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上表の値より、観察集団(1)及び観察集団(2)の粗死亡率は次のように計算できる。
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したがって、観察集団(1)及び観察集団(2)の粗死亡率は同じである。

2 正
老年人口割合は、老年人口の総人口(年齢3区分別人口)に対する割合である。
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上表の値より、観察集団(1)と観察集団(2)の老年人口割合は、次のように計算できる。
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したがって、老年人口の割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。

3 誤
65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は次式で求められる。
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上表の値より、観察集団(1)と観察集団(2)の65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、次のように計算できる。
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したがって、65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。

4 正
年齢構成に差がある集団の死亡率を比較する場合、一般に、高齢者が多い集団では死亡率が高くなり、若年者が多い集団では死亡率が低くなる傾向がある。年齢構成に差がある集団の死亡状況を比較できるように、年齢構成を調整し統一させた死亡率を年齢調整死亡率という。以下に年齢調整死亡率の求め方を示す。
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上表の値より観察集団(1)の年齢調整死亡率は次のように計算できる。
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したがって、観察集団(1)の年齢調整死亡率は33であり、41よりも小さい値となる。

5 誤
年齢調整死亡率の式(解説4参照)を用いて、上表の値より観察集団(2)の年齢調整死亡率を求めると以下のようになる。
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よって、観察集団(2)の年齢調整死亡率は、29である。観察集団(1)の年齢調整死亡率は、33であるため(解説4参照)、年齢調整死亡率は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が低い値を示す。

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