平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 134

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問 134  正答率 : 54.2%

 国家試験問題

国家試験問題
ある農薬を様々な濃度で餌に混ぜ、ラットに2年間与え、慢性毒性を評価したところ、何らの病変も認められなかった最大の農薬濃度は0.02%であった。以下の条件のとき、この農薬の1日許容摂取量(ADI、mg/kg体重/日)として最も近い値はどれか。1つ選べ。

ラットの1日あたりの摂餌量:25 g
ラットの平均体重:250 g
ヒトの平均体重:50 kg
安全係数:100

1 0.01
2 0.2
3 5
4 20
5 125

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問 134    

 e-REC解説

解答 2

ADIとは、ヒトが一生涯摂取し続けても認むべき危険がないと考えられる1日当たりの摂取量のことであり、1日当たりの体重1 kgに対する化学物質の摂取量(mg/kg体重/day)を表す。
ADIは、NOAEL(無毒性量)を用いて次式で求められる。

ADI=NOAEL÷安全係数

なお、NOAELは生体に有害な反応を起こさない最大の量であり、1日あたり、動物の体重1 kgに対する化学物質の摂取量(mg/kg体重/day)で表す。
本設問では、ラットは餌を介して農薬を摂取しており、「何らの病変も認められなかった最大の農薬濃度は0.02%であった。」とあることから、1日あたりの農薬摂取量は次のように求められる。
スクリーンショット 2017-10-21 10.34.35.png
ラットの体重は250 g(0.25 kg)であることから、NOAELは次のように求められる。
スクリーンショット 2017-10-21 10.36.07.png
よって、ADI=20(mg/kg体重/day)÷100=0.2(mg/kg体重/day)

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